30%キーボードのキーマップについて、それぞれの愛好する皆さんがいろいろなキーマップを発信している。私も、30%キーボードの楽しみ方について伝えてみようと思い、この文章を書きました。私自身、明文化することで、新しい気づきが生まれることも期待しています。
少し自分語りをします。最初の30%キーボード経験は、nomu30です。31キーと3行でまとめられたキーレイアウトは、まさに「禅」の極致と思いました。

(上の写真は自作の木製ケースを装着したnomu30)
ただ、実際はかなり工夫しないといけないので、使い勝手は大変ですね。これを解消する形で、34キーの自作キーボードを作りました。

(上の写真はSU120を利用して作った、coolシリーズ以前の作品)
31キーや34キーでは、必要なキーを割り当てるのに困難を感じたことと、3行のキーレイアウトでは、親指の運用が少なく、勿体無いと考えました。次は4行のキーレイアウト、35キーにしたのが、cool635です。親指部分の4行目に、左から、Ctrl、Gui(WinまたはCmd)、スペース、Alt、BSの5つを割り当てました。スペースは長押しでレイヤー1となるようにしていました。Nキーを長押しでレイヤー2としました。

(上の写真はcool635です。最新のcool640lpに近いレイアウトです。)
しかし、35キーでの運用もやはり、つらくなり、3行でも腕を開くことができるアリスレイアウトであれば、キーレイアウトの課題を解決できるし、36キーあれば、キーマップも問題ないと思い、作ったのがcool836Aです。

(上の写真はcool836Aです。)
ただやはり、3行のキーレイアウトは、親指の運用が少なく少なく、勿体無いとなり、現在のような4行でキーレイアウトを考えるに至りました。キー数については、36キーあると、問題なく運用できました。
それでは本題に移ります。
4行のキーレイアウトで、36キーあると、問題なく使えます。
36キーの内訳としては、デフォルトレイヤー(レイヤー0)において、A〜Zまで26キーを割り当てます。残り10キーについては、日本語入力に必要な「,(、)」「.(。)」で2キー、Enter、Shiftで2キー、Ctrl、Gui、Alt、BSで4キー、スペースは分割していて、それぞれに長押しでレイヤー移動(レイヤー1、レイヤー2)としているので2キーを割り当てます。(分割スペースキーを使わないときは、長音符「-(ー)」で1キー割り当てます。)
レイヤー0で36キーが使い、レイヤー1と2でそれぞれ35キーが使いますと、合計106キーとなり、104キーの一般的に100%キーボードに匹敵します。
それゆえ、36キーあれば、問題なく運用できると考えます。
逆に36キーより少ないのであれば、使用者の工夫が求められるでしょう。
キーレイアウトについては、ロウスタッガード、カラムスタッガード、オーソリニア、アリスレイアウト、そのほか独自の配列があります。どれがよいかなど、野暮なことを言いません。指の長さを考えると、4行より多い行数になると、運指は難しくなります。
前述したレイアウトの大体を自作した経験から、私の好みとしては、ロウスタッガードになります。でも、この文章を入力しているのはオーソリニアのcool642です。42キーのキーボードですが、実際には36キーしか使っていません。残り6キーには、適当にキーを割り振っています。
36キーのキーボードを設計し、オフラインイベントで、私のキーボードを見た人が「これ、どこにEscキーあるのですか?」のような質問をします。人はキーキャップの天面に印刷された文字情報を頼りに打鍵するからです。自作キーボードをするような人は、印字(レジェンド)など気にせず、自分だけのキーマップが頭の中に入っています。それゆえ、レジェンドはどうでもよくなります。しかし、そうではない人には難しい話です。
このレジェンドの問題については、先ごろ海外FK KeycapsやYUZU Keycaps(サイトは違うが同じ会社とのこと)がオーダーメイドのキーキーキャップサービスを始めました。私は早速試してみました。

(上の写真は、YUZU Keycapsのオーダーメイドキーキュアップを装着したcool336bleです。)
こうなってくると、レジェンドの問題も解決されました。
運指の範囲から4行のキーレイアウト、必要なキー数は36、レジェンドの問題はオーダーメイドキーキャップで解決、30%キーボードを選択しない理由が見つかりません。補足として、36キーでは不足と思えば、その機能を厳選したマクロパッドを追加すればいいと思います。私は、数字入力に特化した事務作業の時、数字入力用のマクロパッドを利用しています。
みなさん、30%キーボードを楽しみましょう。