「心身ともに疲れると、あまり複雑な配線処理のキーボードを設計しようと思わなくなる。」(m.ki)

令和6年9月15日のキーボードフリーマーケット(略して「キーフリ」)にて、「オーソ配列のキーボードが欲しい」と来場者の一人に言われた。以前に、cool640やcool650など分割のオーソ配列のキーボードを設計しており、これらは年に数個だが、購入してくれる人がいる。私は色々な配列を試したが、基本的にはロウスタッガードから逃れられない。よく使うアリス配列も、原形はロウスタッガードが傾いたものだから、使えるのだと思う。だから、オーソリニアやカラムスタッガードのキーボードを作ってしばらく使うが、結局、アリスレイアウトかロウスタッガードのキーボードに戻ってしまうことを、ここ数年繰り返してきた。
キーフリに向けて、ある程度準備して、臨んで満足した。すると、「次に、何をやろうか」と思い始めた。そして、「ああ、『オーソが欲しい』と言われたっけ」と思い出して、このキーボードを設計した。
キーボードの名称について、私なりのルールがあり、オーソの場合、3桁目の数字を6に、残り2桁でキー数を表すこととしている。今回は40キーになるので、640となる。しかし、3年前に分割のオーソ配列としてcool640を作っており、さらに合体版としてcool640x2もリリースしている。

cool640はラズパイピコとpro microの両方に対応し、さらにスイッチもcherryMXとchocの両方に対応している稀有なものである。できるだけ簡単にして、初心者が練習用に購入できるよう、100mmx100mm以内の基板とした。それとの相違がなければ、新しく設計する意味がないと思った。
cool640lpはコンパクトな一体型で、BT接続ができ、ロープロファイルスイッチchocV2対応を目指して設計した。すぐに、BT接続の要であるBLE Micro Proを横置きできないことがわかった。

そのため、真ん中にBLE Micro Proを縦に置くレイアウトにした。結果として、1U分だけ開くことで、腕が窮屈にならずに済むと思った。
真ん中にBLE Micro Proをレイアウトから、スイッチプレートはアクリルで作るのはちょっと面倒になることが想像できた。よって、スイッチプレートは3Dプリンタで作ることとした。ボトムについては、6度の傾斜をつける関係から、最近の作品ではやはり、3Dプリンタで作っている。3Dプリンターを使えることになり、基板が届いてから、思いつきでケースをどうにでもできるようになり、創作の幅が広がったと思う。その一点だけでも、自作キーボードをやっている人は、3Dプリンターを購入することを薦めます。ただ、220mmx220mmサイズのものは、一体型ケースを作るには厳しいので、それより大きいサイズが作れるものがいいです。我が家のAnkermake M5は235mmx235mmサイズですが、それでも、「もうちょっとだけ大きいサイズが欲しい」となりました。
小さいオーソリニアのBT接続可能なキーボードは、多分、まだ自作キーボード界隈では見ていない。小さいキーボードは持ち歩きに適している。そしてオーソであれば、ロウスタッガードやカラムスタッガードより小さくできる。さらに、BT接続ができれば、外出先でちょっと物書きをしたい時、鞄からさっと出して、打ち込みすることができる。いいことしかない。
最近、ロウスタッガードでBT接続できる小さいキーボードを設計した。cool336bleである。

cool640lpは、cool336bleよりも小さく、薄い。

オーソ使いにとっては最高であると思う。
とりあえず、この文章は、cool640lpで書きました。
