Ghostyを全部ほどいた

m_moos
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1ヶ月以上編み続けていたGhostyの新しいサンプルを、昨日全部ほどいてしまった。

もともと指定糸に考えていた糸が廃盤になってしまって、代替糸となるPlentyTussockPurlSohoから送ってもらっていたのだけれど、なんだか違うな…?って気持ちが拭えなくて。

それに加え、前身頃もあと数段っていうところで、作り目の段階で計算のミスがあって、模様のintarsiaが綺麗に終わらないことがわかってしまって…悩みに悩んだけれど、このままではパターンにはできないと思って、全部ほどいてしまった。

モヘアのintarsiaをほどくのはかなり大変で、一日中編んだものを、1時間半くらいかけてほどいた。

ほどくっていう行為は、なんて胸が痛くなる行動なんだろうね。自分が編むのにかけた時間が、指の間からすり抜けていくみたいで。でも、ほどいていくと、どんどん気持ちが軽くなってくるから不思議。ほどき終わるころには、糸を別のものに変える決意も、新しいプランも頭の中に組み立てられてて、次の工程に進むだけの心の準備ができているんよね。

今回のほどいた糸(Plenty)自体が悪いのではなくて、パターンとの相性があまり良くなかったのだと思う。色も触り心地もパーフェクトなんだけれど、服の形に合わないのか、編み地が思ったようにならないなと思っていて。編むのに時間がかかっていたのも、「これじゃない気がする」っていう気持ちを押し殺して、ゴリ押ししようとしてたからなのは、自分でも良くわかっている。

実際のところ、ほどかなかったことを後悔することはあるけれど、編んだものをほどいて後悔することってあまりない。やっぱり、自分の直感は信じたほうがいいってことなんだろな。大事に着るためにも、納得できるものを編みたい。(この直感の部分は、編み物に限らず人生のあらゆるできごとにも共通よね?)

ほどいた糸は、別のデザインにしようと思って、もう気持ちは切り替えた。デザインノートに、これだったら可愛くなるな、いい感じになるなというものがあるから、そのお洋服に変身してもらおうと計画している。

今は、もう一種類送ってもらっていた糸のYonderを使って、作り目の計算もし直して、心機一転編み直している。まだ10段くらいだけれど、こちらの編み地のほうが、パターンの雰囲気にあっていると思う。Yonderには手持ちのモヘアを三本取りで組み合わせている。

パターンになるまで、想定していたよりもかなり長い時間がかかりそうだけれど、その分良いものになるといいな。どうか、今回は思い通りの仕上がりになりますように。

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とみかわまいざ (ニットウェアデザイナー) 編み物をする人のための編み図(パターン)を執筆し、手紡ぎ糸を販売しています。 www.instagram.com/m_moos