何でもある部屋、何もない部屋

しお
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先日、後輩の住むワンルームにBと遊びに行った。

「全然人を迎えるような部屋じゃないすよ」「一時期ゆるくミニマリスト目指してたんです」「10回以上引っ越したので邪魔なもの全部捨てました」と言うとおりシンプルでおしゃれで整然としている素敵な部屋だった。

しかしシンプルな部屋のに、何でもあるし何でも出てきて驚いた。

座布団を貸してくれるし、立派なポットとティーセットで紅茶を入れてくれるし、最近買ったお気に入りのキャンドルを焚いてくれる。クラフトビールの瓶を何十本も溜め込んでいるし、植木鉢でサボテンと豆苗を育てているし、思いつく限りの調味料と調理器具が揃っている。本棚には舟を編むに感化されて買った広辞苑と大河ドラマに合わせて買った源氏物語と旅行のたびに買うというるるぶが並んでいる。ことりっぷとかTRANSITとかじゃないのがまたなんか良い。私の靴下が毛玉だらけなのを見て電動毛玉取りを貸してくれ、持ち寄った食べ物が余ったら紙袋に保冷剤とジップロックを入れて持たせてくれた。

もてなし上手だな!

翻って私の部屋にはとにかく物量だけは多いけど、何があるといえば何もないな……と考えてしまった。何があるとか、何がないとかって、そもそもなんなんだ。そういえば今年の目標に「いらない物を捨てる」って掲げたんだっけ。進捗ゼロです。

@m_shiroh
140文字以上の文章を書く練習をしています。