会社の昼休み、姐さん主催で広島風お好み焼きの会を開いた。姐さんが材料と道具を全部用意してくれてあとは焼くだけ。おかげ様でおいしく楽しいお昼を過ごした。
以前姐さんに「広島風のお好み焼きっておいしいですよね、家で時々焼きます」と話して「えっ家で作れるの!?今度教えて!」と言われて一般的なレシピを教えたのは私だが、たいそう気に入って家でもしょっちゅう焼いているようだ。それだけのことを「あなたが広島焼を教えてくれたおかげ!さすが西の人、本場は違うね!プロだね!」と今でも褒めてくれるのだけど、
私は兵庫出身なので本場の人ではないし、広島風のお好み焼きを広島焼と呼ぶのは危ないですよ……!
ということがずっと気になっている。何度かやんわり訂正したり頑なに「広島風のお好み焼き」と呼んだりしているが伝わらないし、今のところ姐さんの身近に広島人はいないようなのでもう諦めてしまった。姐さんから見れば兵庫も広島も西なのだ。
しかし少し調べてみると「兵庫のお好み焼きは重ね焼き、広島と同じ文化」と紹介しているサイトがいくつか見つかった。そうなの!? 神戸近辺のぼっかけ(牛すじとこんにゃくの甘辛煮)を入れる文化は知っていて実家も牛すじ派なのでそちらは馴染みがあるし、混ぜ焼きに焼きそばを追加したモダン焼きも食べる機会があったが、重ね焼き文化があることは知らなかった。私の兵庫知識はしょせん実家と高校時代までの狭い半径に限られるので、知らないことが多い。もしかすると私もちゃんと本場の人だったのかもしれない。
なお関西風のお好み焼きは頻繁に焼くが、広島風のお好み焼きはよほど食べたいときにしか焼かない。材料が多いので思い立ってすぐ作れないし、工程も複雑なのでホットプレートがあるならともかくフライパンだと面倒だからだ。おいしいからいつでも食べたいんだけどね。しかしこれを知り合いの広島人に話すと「関西風と広島風で別に手間変わらんよ」と一蹴される。いや、だいぶ違うが……?
やはり本場の人の感覚にはまだまだ遠い。