公務員えらい

しお
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私の勤める会社は決算の区切りが4月ではなく、新入社員を毎年採るような規模でもないので、世間的な年度の区切りにあまり影響を受けずに過ごしている。しかし行政からの委託業務をいくつか請け負っているため、お世話になった担当者が次々と異動になることで新年度を感じる今日この頃だ。

私はこれまで2種類しか仕事をしたことがない。学生時代のアルバイトと、卒業後に入社した今の会社だけ。転職や退職はまず選択肢に入らない。ほどよい人間関係とぼちぼちのお給料を貰えていることも大きいが、何より自分が「どこへ行ってもすぐに仕事を覚えてなんとかやっていける」と思えるほど器用でないことを知っているからだ。

翻って、数年でどんどん異動する公務員の皆さん(ここでは一般行政職の地方公務員を想定している)、ほんとにすごいな……という尊敬が年々増している。

仕事で関わる人も、プライベートで仲の良い人も、公務員の皆さんは全く違う部署へ異動するたび数日のうちに仕事を引き継ぎ、専門家や関連企業と折衝しながら仕様書を書いて新しく知識と関係値を積み上げていく。異動は仕方ないこととはいえ、とても自分には勤まりそうにない。公務員に対して厳しい目を向ける市民は今だ多く、実際心無い言葉をかけられることも行動の制約もあるだろうに、えらいな……

あと街づくり系の部署を経た公務員友達と遊んでいると「このトイレは僕が数年前に設計した」とか「この看板は私が発注して立てた」とか聞けて面白い。民間の仕事もそうだけど、仕事の成果が目に見えて街中に点在しているのってなんかいいね。

@m_shiroh
140文字以上の文章を書く練習をしています。