数年前のクリスマス。ケーキ屋の閉店ギリギリで売れ残ってたチョコレートケーキをコロナ支援だかの地域商品券で購入して、寒い部屋のこたつに潜ってホールのままフォークで抉って食べたことを思い出している。
写真を見つけた。こたつだと思っていたけど、ケーキの下はおそらく布団である。そしてこれは2021年の出来事だったらしい。多分。
労働のことは好きになれなかったけど、あの地域と自分の家だった区画のことを懐かしく思う。空気が澄んでいて、散歩に適した川があり、何時間も歩き続けていた。安心が欲しくてどこか遠くに行きたくて、結局家に帰る。どこに行っても空虚が私の伴侶なのだったと思い出す。