最近、悲劇喜劇の定期購読をはじめた。読むとこ多いから隔月でちょうどいい感じ。いろんな戯曲が日本語で読めるのがよい。こうやって内容の濃い雑誌が刊行されるほど演劇が根付いている文化が羨ましいが、それは大きな権力があるということと裏表なので、適度な距離で付き合っていきたい。
そして東京都ほどの大きさの都市国家に住んでいると、日本というでかい国、大きな需要の凝縮が東京という都市を形成しているのだ、ということを強く感じる。同じくらいの面積だとしても人口も業種も母数が全然違う。
Netflixでみた中国語コンテンツメモ
「關於我和鬼變成家人的那件事」(邦題:僕と幽霊が家族になった件、英題:Marry My Dead Body)
2023年公開、同性婚が合法で、かつ冥婚という未婚の死者との婚姻習慣のある台湾ならではのコメディ映画、だけどもありとあらゆるステレオタイプが山盛り出てくるのでまあ…お察し…という感じ。すげーマッチョで同性愛に関して差別的な刑事の主人公が同性の冥婚をすることになりその彼の幽霊のことが見えて喋れて、なんやかんや一緒に捜査していくうちに、表情や髪型や物言いが柔らかくなっていく細かい表現が上手かったな…あと華語字幕出てるのに絶対これ台語だよな??みたいなのがちょいちょいあって面白かった。全然聞き取れない。
「陽光普照」(邦題:ひとつの太陽、英題:A sun)
2019年公開、台湾の映画賞、金馬獎5部門受賞の家族もの。重い題材ながらも光と影が際立つ画面や構図などがよかった。けど邦題がださい。原題は太陽の光は全てを等しく照らす、という意味の成語で納得のタイトルなのだが、日本語にしたときにちょっとずれたな、という印象が最後まであった。
英題はまた別の意図があり、優秀で優しい長男ばかりみて、お子さんは?ときかれた時に不良な次男を数にいれずに一人といい、長男が死んだあとは次男のこととして息子が一人、と言い続けるクソな父親の台詞から太陽と息子をかけて A Sun 。
夏が長く日差しの強い台湾で、日陰がなくては生きていくのが苦しい、という長男の切実さが身に染みるし、日陰者扱いされてきた次男が得たささやかな日向もまたよかった。台湾映画いくつかみてるけど大体マフィアが出てきてますね…
あと長男役の人が先の同性冥婚映画の主人公だということを今これを書きながら知り、めちゃくちゃ演技がうまい…と戦いている。