最近買った、鈴木ゆうり著『わたし、世界を走ってます 20代で43カ国のマラソンを走って見えてきたこと』がものすごくおもしろかったので紹介がてらに感想書きます。
「好きなことで生きていきたい」や「人の心を動かしたい」などの願望がある方は読むと得られるものがあるんじゃないかなと思います。おすすめ。
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ジョギングにはまっていることもあり、書店で見かけて気になったので購入。
大学に入りいつの間にか太ってしまったことを友達に揶揄され、ダイエットのためにランニングをはじめる。その後友達と行ったハワイにて、「最近ランニング始めたんだからいけるんじゃね」的なノリで偶然開催されていたフルマラソンに挑戦するーーという何とも気軽で明るいエピソードから始まるエッセイ本。
プロローグから非常に引き込まれる構成で、筆者の「その瞬間を全身全霊で楽しむ」という性格がよく現れ随所に発揮されており、読んでいてハッピーで元気の出るエピソードが多かった。外国のフルマラソンについてほとんど知らなかったため、「そんな雰囲気なんだ、楽しそう!」とわくわくしっぱなしだった。
しかし楽しいだけではなく、「好きなことをして生きる」のに特有の苦しさや、とある国で味わった言いようのない悲しみなども描写されていて、身につまされる思いだった。
特に筆者がOLとして生きているときの心情がやるせなく、その感情には自分にも覚えがあるので何とも言えないシンパシーとメランコリーを感じた。
現代において「成功する」ということは、「他者から多くの(希少価値の高い)資本(あるいはそれに相当する何か)を受け取っていること、またそれが多くの人に認知されていること」が条件としてある気がしてならないと個人的に思っているが、この本を読んだことで「必ずしもそうではない、自分で価値を見いだすことの大切さ」を改めて考えることができた。
少なくとも私は筆者に勇気とパワーをもらい「私も負けないでやっていこう」と思えたので、その点において筆者は「成功者」だと思う。今後の筆者の活動も応援したくなる、希望と活力にあふれた本だった。