先日友人と映画やエンタメの話をしていて、「すとぷりって本人たちっぽいのにストーリー映画なのがどういうことなのかよく分からんし、ついでに客層の観測してみよっかな」と言っていたのをそれええね!と思ったのでやってきた。ちょうどよくTOHOのポイント貯まって1回分無料で観れるし、観たいと思って行くものにはちゃんと鑑賞料金払いたいので。
全体の印象としては「そうですか。」というかんじだった。良いとも思わなかった代わりにそれほど腹も立たなかった。1点だけ許しがたかったのはりいぬくんのケモ耳に立体影がなかったことです。分かってねえな。なんで尻尾は基本色ハイライト1影ちゃんとあるのに耳はハイライトと同じ色1色だけなんだよ。作画コスト削減の都合かなと思いました、他の子のハイライトの形もわりと髪の線に沿ってなかったりしたので。
お話の方は整合性とかバンド舐めんじゃねえとか気にしちゃいけないタイプのやつだろうなと思って見てたんだけど、それにしてもだいぶ記号的で、りいぬくんの感情の動きかメンバーの絆が育まれていく様子くらいはもうちょっとしっかり描いてほしかったなと思った。ギリりいぬくんの感情の動きは察しがついたけど、歌を歌いたい気持ちとか疎外感はもうちょっと最初から丁寧に小出ししてほしかった。あの子たちがグループということくらいは知ってるので、バンドのポジション決めのときいきなりお前メンバーじゃないんかーーい!になったし、自分の声を届けたい!のとこの告白もあそこに一気に詰めすぎてて何を言ってたのか正直覚えてない。
単に人助けをするだけじゃなくてそれぞれの個性で補い合って連帯感が生まれるとか、りいぬくんの歌いたい気持ちにみんながちょっとずつ気付いて目配せしたり準備をしてあげるとか、なんかそういうのがあったらもうちょっと感情移入できたかな。という気がする。
いきなりといえば生徒会長のこともなので、最初に話題に出したっきりと最後に種明かしだけじゃなくて、暗躍してるっぽい伏線が欲しかった。特になかったからすっかり忘れていて女の子の方が生徒会長なのかと思ってたし、ななもりさんは地味なことに悩んでるドジっ子の最年長っていう印象しか持てなかったので。りいぬくんが二の足踏んでる時に声かけてくれる以外に見せ場があると思えなかった。人格的な頼もしさを見せてほしかった。ないんでしょうか? やばめの不倫騒動起こしたのってこの人じゃなかったっけ?
あとはデザイン・お芝居・キャラ立ちどこを取ってもりいぬくんが主人公ポジでよかったですね。と思った。映画館で流れてた予告ではりいぬくんの台詞しか流れなかったと思うんだけど、まあそうだろうなというかんじだし、次点るぅとくん?が作曲家として大事なポジションを担ってるくらいで、あとは……、うん……。さとみくん?とジェル……?くん?に至ってはキャラの系統が似通ってる上にシルエットもほぼ同じだし、どっちも暖色なので、ずっとどっちがどっちだっけ?って分からなかった。目のデザインもほぼみんな一緒だし。コンテンツの起こりを知らないのでそのへんはなんともだけど、全員にりいぬくんくらいのキャラデザの力の入れようできんかった?と思う。
曲もなんか、せっかく数曲流すのにどれも似たような曲だったし、曲も詞も特に琴線に触れず、ライブシーンだけ取っても「そうですか。」でしかなかった。これは私が好みじゃないだけかもしれないけど。でも今思い出したけど作曲るぅとくんじゃないんかい!! 実際の本人は作曲してないの? してないんだったらしてないんかい!だし、してるんだったらいい機会を逃しすぎなんじゃないですかね。
そういうわけでトータルの感想は「そうですか。」で毒にも薬にもならなかったんだけど、劇場版っていう大きなお金が動いてたくさんの人を巻き込むせっかくの機会に、初見からのファンを取りこむ努力は感じられなかったな。と思いました。