出会いは偶発的であり必然的である

まえぷー
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公開:2024/6/28

出会いは偶発的であり必然的である

ここ数年でかなり多くの人と出会った。出会いを目的とした出会いもあれば、結果的に出会った偶発的な出会いもあった。ただ、どちらも僕自身がたくさんのことに挑戦して経験して自ら足を動かしたから結果として付いてきたものだと思う。自分自身では接客や営業が大の苦手で過度なストレスを与えるのをわかっているので、極力人間関係を避けたい、少なくしたいという気持ちがあると思っていたが、こうして振り返ってみると出会いというイベントが苦ではないし、嫌いではないのかもしれないということに気づく。そして、その出会った人たちとの距離感、英語で言うbubble of spaceを測っていく工程が好きなのかもしれない。接客や営業でも出会いというイベントが発生する場面がむしろ通常より多いので良いと思われるが、自分自身からの好き好んで行動した結果の出会いではないし、相手の情報をたったの一つも知らない状態なので、話しのネタが全くなくバブルスペースを測っていく以前の話なので苦手なのかもしれない。でも結果論ではあるがプライベートでこれだけ出会えているのであれば、今なら小学校のころ叶わなかった”友達100人作る”ことが叶うかもしれない(友達の定義について話すとこれまた長くなるので、また次の機会にじっくりと話し合おうじゃないか)。

2022年に僕は会社を退職してカナダに留学をした。留学の理由は、特に誇れるものではないが、単純に「英語喋れたらカッコ良くね?モテそうじゃね?」という、いかにも忘却バッテリーの要圭が考えそうなものなのだ(究極、人間に真理だと思っているが)。そのため特に出会いを求めて留学をしたわけではなく、あくまで英語を学ぶことと、マウントを取るための人生経験を目的としたものだった。カナダに着いてからもその気持ちが変わることはなく、留学をしている日本人の多さに度肝を抜かれたが、ここでも僕は勇ましい一匹狼、単独行動を貫いて、「別に他人と絡む気なんてないんで。」というムーブをキメていた。とはいえ、生活をしてく中で学校にも通うし、初めはホームステイとして家に居座っていたので新しい出会いは必然と生まれた。1年間滞在したカナダ留学で、結果的に手で数えられるほどのそこそこ深い人間関係を築いた人はいるものの、最初から最後まで人間関係を築こうとして立ち振る舞うことはなかった。帰国後も特に悔いはなく、いい経験ができたなぁ程度の留学出会ったが、ふと改めて振り返ってみると元ディスニーランドのダンサーや、元セミプロのサッカー選手、現役ウクレレ奏者という面白い日本人と出会っていたし、ロシア、タイ、トルコ、チリ、メキシコ、台湾、中国などなど数え切れないほど多くの海外の方たちがたくさんいて、もう少しだけ関わってみても楽しめたのかもしれないなと感じる。現地で知り合った日本人も海外の方もいまだに連絡を取り合っている人はいるものの、もう少しプライドを捨てて知的な要圭のように振る舞えたら幅が広がったかもしれないなと、そっちの世界を想像していたりする。それでもムーブばかりかましていた僕といまだに連絡を取り合ってくれている人たちには感謝しかない。

留学から帰国後は、帰国から1週間足らずで会社員として働き始めた。再就職して新しい会社だったので、これまた狙って人間関係を築こうとしたわけではないが、新たな出会いが生まれた。会社の規模としては大きくはなく、むしろ小さい部類に入ると思うが、社員みんなと関わることができるし、僕自身、大人数の場所があまり得意ではないのでとても居心地良く今日まで居座らせていただいている。20代は僕一人、平均は40歳近くとこうして出会う機会がなければ積極的に自分からは出会うことがなかった方々なのでとても貴重な経験だし、フリーレンのような人生のほんの少し先をゆく先輩を見ているようで面白い。年齢に関わらず社員さんみんなと仲良くなりたいと心の底から思っているし、みんなのことをもっと知りたいと積極的に関わろうとアプローチをしている節がある。別に会社だけの関係だし、今後も8時間×5日の時間を社員さんと一緒に過ごすことになるので、以前の僕なら下手に踏み込んで関係を崩すリスクを冒さずに距離を保っていたが、むしろ各々のバブルスペースを測るかのように絶妙を保ちつつジリジリと近づいている。距離を測ることに楽しさを覚えているのか、純粋に他人と関わることが嫌いじゃないのか、はっきりしたことは理解していないが、人と関わることの楽しさを知って以来、生活が豊かになったと思う。

こうして文章を発信したり、SNSで趣味のことを発信したり、それが他人と繋がるための目的ではないとしても巡り巡って人と繋がることに繋がるし、そこに抵抗は生まれず欲求を満たされる感覚すら覚える。マッチングアプリで恋人を見つけることは難しいけど、たとえ恋人にならなくても食べて寝ての生活を繰り返しているだけでは決して繋がれなかった方と繋がれたことに意味はあるし、無駄なことはない。生きている人、それぞれに人生があるのだから、その人生を少しでも味わえるように、これからも出会いを求めず出会えるようセレンディピティを意識して生活していきたい。勇者ヒンメルならそうする。

@maepu
趣味で文章を書いている者だ