誰もが一度は考えたことがあるであろう「無人島に持って行くなら何を持って行くか」という究極クエスチョンQQ。答えるのが難しく東大生でも難儀してしまうこの問いに真剣に考えてみる。結論から言うと僕は実用性を考えたナイフではなく、無人島で楽しむための「本」を持っていく。僕は生き残るためのアイテムではなく、残りの人生を楽しむためのアイテムを選択する。
人は何もない時代から文明を築いてきた。約100万年前に火を使い始めたように、石を使って道具を編み出したように生活に必要な道具は0から作ることができる。Dr.STONEという作品で全人類が石化された世界から数千年たち、石化から目覚めた主人公が科学の力を使って文明を取り戻すように。(自信過剰)
反対に本は、特定の人物が書くことで面白いコンテンツへと化けるのであり、皆が真似できるものではない。毎日せっせと働いているだけではなく、時にはライブに行ったり、カフェでまったりしたり、自然を感じたりと人には呼吸を整える時間が必要だ。それが僕にとって本であっただけである。それに本は電池やガスといったエネルギーを必要としないし、紙でできているものがほとんどなのでメモとしても利用できる。さらにさらに紙であるということは、そう。トイレットペーパーにもなるということだ!銀魂の第79話「四人そろえばいろんな知恵」という回でトイレットペーパーがなくて困っているところ、持っていた紙みやすりで血だらけになりながらお尻を拭くと言う伝説の回がある。僕はその二の舞にならないためにも本を選ぶ。実用性も兼ね備えつつ僕の心を落ち着かせることができるアイテムなので、これ以上に最適なものはないと思う。東大生もこの答えにはぐうの音も出ないであろう。
持っていけるものが2つなのであれば本のほかに「カメラ」を選ぶであろう。これは完全に趣味。カメラで撮影することで無人島の出来事を残すということはできるが、それも一瞬の期間でしか利用できないので実用性があるとは言い切れない。一つ言っておくとカメラはフィルムカメラでなければならない。デジタルだとバッテリーがなくなってしまうと使い物にならないし、バッテリーが無くなる前にバシャバシャ撮りまくれば良いのだが、スクリーン上にしか記憶されない。仮に誰かが拾ったとしても充電はなくなっているだろうし、充電するまで見ることができないのでデジタルの特徴を殺してしまっている。フィルムカメラも現像するまで見ることができないことに変わりはないのだが、見たあとに形に残せるというのがフィルムカメラの優勢なポイントである。
スマホは電話ができ、ラジオも聞けて、メモもできる世界一便利なアイテムだと思うが、それは電波が届く範囲に限られる。放り出された無人島が電波の届く範囲なのかわからないし、助けに来られる距離なのかもわからない。生き残るためのアイテムでも決して間違いではないが、いつ助けが来るのか、もしくは有人島までの距離や方向がわからない状況では僕にとって最善の選択肢とは言い難い。それであれば残りの人生を楽しめるアイテムである本やカメラが僕にとっては正解だ。無人島に限らずだが、このように選択するということはきっと余命が宣告されたときも、おそらく長生きする選択より残りを楽しむための選択をすると思う。本にしろ、カメラにしろ無人島に持って行けるものが限られている場合、僕は向こうで楽しめるものを持って行くらしい。まるで旅行に行くかのように。そそるぜこれは!
