技術屋にはシーズ志向の人たちが多いというか、大半はそうである。私自身もシーズ屋であるがそれは業務にする前の話で、実際に仕事に使え始める前に予め技術を先行投資で学んでおく。いざ、現場で要望が上がったときにすぐに開発着手出来るようにする為である。
世の中のツールには有償な技術とオープンソースの2種類があって、前者に依存している技術屋はとにかく投資しないと価値が分からないから、まずは会社のお金を使ってテストを行う。このお金が本社が負担してくれる(誰も咎められない)ならば構わないのだが、大半はどこかの現場が負担する事になる。つまりその現場の長は、何か訳の分からないテストの為に◯十万円、◯百万円を負担させられる。これを望んで承認する人は居ない。だから、有償のシステムは価値が分かるまでは現場は導入を嫌う。しかしテストをしないと価値は分からない。堂々巡りである。この結果、半数以上のシステムは実際には役に立たない。
私はこれを嫌うので、まずはオープンソースのツールで現場のニーズを吸い上げて実現してから有償化の方へ持っていく。こうすれば現場が無駄な投資を負担する危険性が無い。無論、出来る事は限られているのでそこは運用でカバーする。この方法でも確実に成功する訳ではないが、前者に比べると失敗時の金額ロスが小さく済む。開発にかかる時間はPythonをベースにしたライブラリ呼び出しで組むので数日程度で済む。しかし、複雑怪奇なニーズをこの方法で実現するのはやはり難しい。だから、シーズ屋との並走が必要になる。