きっと私の名前も声も、存在すら忘れてしまうだろうけど、誰かに愛されていたということくらいは憶えていてほしい。
彼は私がした話も誕生日も憶えていない。私の誕生日をカレンダーにチェックしておきながら、なぜ、何をチェックしたのかを忘れてしまうくらいに、彼にとって私の存在は薄い。彼にとって私はたくさんいるお客さんの一人にすぎないから、いちいち憶えていられないのだろうけど、もう少しだけ彼の記憶に残りたかった。
忘れてくれていいというのは嘘。名前も声も、憶えていてほしいに決まってる。
※画像は生成AIによる