わたしは猫との暮らしに憧れながらも、これまで叶えられなかったのは自分にとっての大切な存在を増やしていずれ失う日が怖くて仕方ないからだった 大きな喪失感を経験したことは実際あまりなくて、繰り返したくないというよりはいずれ来るその日を想像しては自分には耐えられないと思っていた それがここのところ、重ねた年齢からなのか読んできた本からか、喪失に対してただ漠然に不安がっていたのが受け容れる日のことを考えている 沢山のかなしい経験を乗り越えてきた夫の家族の影響もあるのかも知れない 喪失は消えて無くなることではなく、大切な存在は大切なままで、いとおしい記憶までなくなってしまうわけではない 言葉でいうのは簡単だから、その日が来たらすぐにそうは思えないだろう それでもしなやかにまっすぐに大切なまま喪失と一緒に生きてゆく人たちとわたしは知っている だから失う日のことを怖がるのではなく、いとおしい日々が増えていくことを大切にしたくて、夢だった猫との暮らしのための準備を始めた 新しく生き物と暮らすのはきっと思っているより大変だ 絶対にしあわせにするという覚悟と共に、思い通りにはならない素敵な日々をたのしみたいと思う
宛先のない手紙のような、深夜のラジオのような @jamawosuruneko