ざっくりいくか。これでもかなりざっくりよ。
私が休職に至った経緯の話。活字にする事で整理出来たりもするしね。
総師長(以下、総)に関しては、この人がまだ平スタッフの頃から普通に先輩として慕っていた。同じ部署で働いた事もあるし、私に見る目がなかったのかもしれないが、柔らかい雰囲気を纏っていたし、どちらかと言うと好きな先輩だった。主任、師長に昇格する度に、「私を助けてね」とか言われ、まぁ、素直に応えていたわけだ。私が主任になって、師長と主任って立場で同じ部署で働いた事もあるが、この頃には、実は腹黒い説を聞いたりして。けど、私自身にはそう感じる部分が見えなかったから、えー、そうなん?位に流して聞いてた。後から納得出来るエピソードを沢山耳にするんだけれど。
副総師長(以下、副)に関しては、最初から嫌いだった。これはみんなそうだったようだ。中には慕ってる人もいただろうが、所謂嫌われ者。性格悪いし意地悪だし、沢山の役職付きの人たちが、虐められてるのをこの目で見てきていた。
私が主任の頃、オペ室の男性師長をスタッフの前で怒鳴り散らし、人格否定しているのを数回見た。この時点で管理者として相当アウトだ。部下の前でやり込めるなんてしちゃいけない。
まず、この2人が役職ついてから、定年を待たずに辞めた師長が4人。みんな師長に昇格して2年以内に病んで退職。4人を含め病んで休職した事がある師長が、私を入れて6人。
おかしいでしょ、これ。
この人らが、副と副の時代から多分おかしさに輪がかかったんじゃないかと思う。無敵になったと勘違いしちゃったんだね。で、この人らの先輩にあたる師長さん達が定年を迎え去り、片方が総になった。もう天下だものね。
だから、こから更に看護科は暴走始めたよね。
みんな、副に虐められ病んでったという噂があった。師長にならなきゃ知らなかった内部事情ってあるんだな。後から原因はこの2人にあると知ったよ。納得。
4人目のオペ室の男性師長に関しては、あからさまに凄かった。
オペ室の主任(限師長)曰く、
「ほんと酷かった。総師長室に行く時間になると手が震えてきて、見てられなかった。休んでからは毎日酒の量が増えて、自殺するんじゃないかと心配だったけど、だからって上には何も言えないしさぁ」
結局、この師長さん、休職手続きには奥様が来てたし、復職せずに退職した。退職時も総師長室には行けなくて。そしたら、あの人達、
「んまぁ〜、ここに挨拶にも来ないって失礼だわ〜」って言ったんだとか。挨拶もせず辞めてったって愚痴っていたと聞いた。
分かってないんだよね、退職理由が。自分達は正しい、悪くないと思っている。そもそもさ、大の男が泣くくらい、病むくらいなのよ。そこに気づかず、失礼な人だわ〜で終わらせる神経がわからない。管理者としてダメダメじゃん。
さて。
私が師長になって、総師長室に行く機会が増えるわけ。
すると、今まで知らなかった事、見えてなかった事が諸々見えてくる。そして、総と副からの風当たりも強くなる。
師長になった途端に、
あなた、それでも師長なの?
管理職として、どうなのよ!
あなたが、責任持ちなさいよ!
あなた、こんな事も知らないの?
師長のくせに!
師長のくせに何やってんのよ!
と、怒涛のようにやられる。
何?
師長って、昇格して1〜2ヶ月で完璧にやれるもんなん?
時にネチネチと気持ち悪いくらい静かな口調で嫌味を言われ、時に荒げた口調で人格否定され、尋問され。
総は、それを注意もせず見て見ぬフリ。聞いてるくせに。
毎日毎日、総師長室で誰かが呼び止められ、ネチネチと指導という名の、意味ない説教と尋問を受ける。
あなたは師長としてどう思うの?
師長として何をやってるの?
どういう取り組みをしてるわけ?
例えば、
主任さんが何か不味い対応をしてしまう。それを知った総と副は、師長を呼び出す。
あんたの指導が悪い、あんたどういう指導してんの?
例えば、
師長、主任さんが何か意にそぐわない意見を会議でいう。
師長が呼び出され、
あんた、何言わせてんの?
主任にあんな事言わせて!
例えば、医師が現状見兼ねて、意見してくれる。スタッフ大変そうですよー、人が足りてませんよー。
はい、師長が呼び出される。
あんた、医者に何を言わせてんの?
医者にあんな事言わせて、そう思わせるような態度をあなたがしてるからでしょ!!
人が足りないなら足りなくても大丈夫な業務調整しなさいよ!
は?
しても無理だから言ってくれてんじゃん。
もう限界ですよって話じゃん。嫌んなるわ。沢山の業務をやっちゃいたいのに、これで午前中が潰される訳ですよ。で、自分の意見を言うと、言い終わらないうちに話の腰を折られ、揚げ足をとり、
あなたね〜、そんなんだからダメなのよ!
と、責められる。
私だけじゃない。師長達の間で、廊下ですれ違いざまに、
「今日は何時間だったの?」
「今日は、〇〇師長が餌食だったよ」
「ごめんね、助けてあげられなくて」
みたいな会話がされた。もう嫌だって泣きながら抱き合い慰め合った時もある。反論すると10倍にもなって仕返しされるので、どの師長も諦めてた。
あなたは直ぐたてつく、歯向かう、言う事聞けないの?!って、なる。
人間ってさ、こういう事を何度も何度も繰り返されるうち、どうでも良くなるっていうか、何が正しいかわからなくなるっていうか。ある意味洗脳だよね。
言っても無駄だって、疲弊していくだけだって思ってしまう。師長になってヤル気満々だった先輩師長達が、次々と病んで休職する、辞めていく。これを、ずっと見てきた。この絵図を見てきた。最悪の組織。
けど、それでも「なにくそ!」って、我慢出来ていたんだわ。あの日までは、何とかね。
続きはまた。