雪の予報を見るたび、通勤の心配をしつつも、その次にくる感情は喜びと高揚だったりする。
私が住んでいる地域はあまり雪が降らない。なので、積雪は知っている風景や色合いが刻々と変わっていく楽しいイベント。というのが私の中での位置づけなのだ。
雪が音を吸収していつもより静かで、でもよく耳を澄ますと雪の積もる音なのか、微かに不思議な音がして、ゆっくりと山も民家の屋根も、道路も白くなる。
一面の白さに、実の残った柚子の木の黄色や山茶花の濃いピンク、南天の実の赤がとてもよく映える。雪が光を反射して、いつもより少し明るい夜も、光を吸収した雪がほんのりと青く輝くさまも滅多に見られないので心が躍り、意味もなく外へと出かけてしまうのだ。
追加でいえば、湿った特有の冷たさも好き。
底冷えする寒さに、うっかりすると足先から足首を痛みを感じるほどに冷やしてしまうけど、肌を切るような乾燥した風にさらされるより少しはマシだと思う……いや、寒すぎるのはどっちも嫌かな。
そして大人になってからの一番の楽しみは、なんといっても雪で冷やしたビールが呑めること!
冷蔵庫で冷やしただけではなかなか味わえない、キンキンに冷えたビールに、味が濃い目の厚切りベーコン、噛むとパリッと軽快な音と共に肉汁がじゅわっと溢れ出す熱々のウインナー。ベーコンもウインナーもじっくりとフライパンで炒めたものが好き。
道路が問題なく使えるようなら、ピザの宅配を頼むのだって最高。近くのコンビニやスーパーでおつまみになるお惣菜を少しずつ買って呑むのも最高。
コンビニおでんとキンキンに冷やした日本酒もいいと思う。
そんなこんなで積雪予報。ハラハラしつつ楽しみだったりします。