※5年前の映画ではあるけど一応ネタバレ注意。考察でもなければあらすじ解説でもないただの感想の羅列なので、ネタバレというほどはネタバレしていないけれど配慮もしていないので……一応!
~~~~以下感想~~~~
個人的には、結末はいわゆるメリーバッドエンドだと思った。これは視聴者(観測者)の視点から見て。主人公から見るとハッピーエンド、主人公以外の連れてこられた友人たちから見ると最悪のバッドエンドだろうと思う。
というのも、最後の主人公の笑顔を見るに、彼女は家族の死や恋人との仲に対しての悲しみや不安を乗り越えられたと思うから。
もちろんあの笑顔が正常なものには見えないし、完全に克服したとも言えないけど、少なくとも呼吸もままならないほどに泣き叫んでいたときよりは前進したはず。自分の苦しみを共有してくれる新しい『家族』を手に入れて、これまでの状況や環境からは離れた新しい居場所を手に入れて。
……視聴者としては「このままこのコミューンにいたらいずれ殺されるぞ! 逃げろ!」と思わなくもないけど、あの時点での主人公の目にはあの社会はまさに楽園のように映ったはず。それならもうそれで良かったんじゃないかな(諦め)、という感じ。
生贄として連れてこられる何も知らない外部の人間からしたら迷惑極まりない話だけど、『人類の存続』という観点で見るとあのコミューンのやり方は凄く合理的。少子高齢化問題とは無縁だろうなー偉いなーとは思う。
その代わりに個人の幸せや自由なんかは皆無なので、生まれも育ちもあそこで完全にあの思想に浸らされていない限りはきっっっっっついな……と。あまりにも代償がデカすぎる。『生まれも育ちもあの村で完全にあの思想に浸らされて』いたはずの村人ですら生贄として死ぬ直前には恐怖をあらわにしていたわけだし……。
全体のために個を犠牲にするのは合理的ではあるけど……けどやっぱり現実には絶対無理だし嫌だなと思ったのでした。怖い怖い。
おわりに(蛇足)
映画を見終えた後、自分の感想を書いた後にネットで色んな人の感想を見たのだけれど、人によって真反対な感想を持っていたのが印象的。怖かったか怖くなかったか、ハッピーエンドかバッドエンドか……。
「あのシーンにはこういう意図が!」「あそこでのあの人の動きがこの後の伏線で……」とか考察も盛んに行われていたようで、読むとより一層映画を理解できたような気がして、それはそれで面白かった。以上蛇足終わり。