少年社中テンペストの感想

mamiya
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大阪梅田芸術劇場シアタードラマシティ

2024.1.26(金)、27 (土)

梅田芸術劇場シアタードラマシティにて。

とても、とても多幸感溢れる公演だった。

私は少年社中の今までを知らないので、この公演だけでの判断になるけれど、刀ステ以外を観て今までで1番幸せな時間だった。

あらすじも読まずに行ったものだから最初はタイトル通りの原作通りの演劇をやるのかと思っていたけれど、演劇公演をすることを題材にしていて面白かった。きっと原作を知っていれば、そして少年社中の今までの公演を観ていればもっと楽しかったのかもしれない。

始まって感じたのは、何もかもが上手いということ。いつもは.5の作品ばかりを観ているけど、純粋に良質な演劇だった。誰もが演じるということを楽しんでいると素直に感じられた。音楽が好みだったし、ダンスも良かった。殺陣もあり、少し歌も交えて、何かに偏ることなく、何もかもが充分だった。そんな気がする。開始15分くらいで円盤買おうと決意したくらい。いや、元々買うつもりだったけど、絶対買おうと思った。いつぞやの.5ばかり観る人に説教をするような演劇を作った人がいたけど、演劇というものを伝えるならこういうことなんじゃないかと考えたりもした。

今回観に行くにあたり、勘違いをしていた点があって、タイトルにファイナルと付いてるものだから少年社中が劇団を畳むのかと思って最後なら観に行くか、とチケットを取ったこと。普通に、当たり前に違うわ。でもこの勘違いのおかげで良いものが観れた。

キャスト目当てで観に行ったけど、あまりにも面白くてついストーリーを追いかけてしまった。.5なら先の展開が読めてしまうので目当てのキャストはどんな表情をしているのかな?と双眼鏡を覗くのだけれど、これからどうなるのかワクワクが止まらなかった。まぁテンペストを演じる劇団虎煌遊戯の公演を観にきた客はこのはちゃめちゃな公演を観てどう思っているのかハラハラはした。客は私たちだったらしい。リアルに考えると、きっと混乱しながら観ていたに違いない。

鈴木拡樹と本田礼生の殺陣が観れたので幸せだった。それにしても本田礼生は洋剣が似合いますね。ダンスも良かったし、笑いを誘う演技も大変良かった。会場が結構笑っていたので私も遠慮なく笑ったのだけれど、本当にそういう意図があったのかはちょっと判断できない。

鈴木拡樹に関して、他の舞台と違ってとても伸び伸びとしていると感じた。世間では仏だのなんだの言われているけれど、本当はこのテンペストのエアリアルのような多種多様な表情を出したいのではないだろうかと思ったりした。SNSの更新を増やしてほしいと思う反面、ネットのことなんぞ置いておいて好きにやっていてほしいとも思う。やっぱり鈴木拡樹は課金しないと見れない。今の私にとって鈴木拡樹にお金を出すということはそれほど値打ちがあるということだと考えてる。今はそれでいい。

演者の皆さんの声が当たり前のように良くてストレスなく観れたのは奇跡に近いと思う。カグラ役の方の人の声好きです。

回替わりのセリフや単語が本当に面白かった。NU茶屋、HEPの観覧車、大河でも連ドラでも出れると言ったシーンのグルメドラマはパンフレット記載の伏線だったのかな。たけのこニョッキの整列の時、縦に?と聞いたのは最高によかった。単縦陣かな。

何度振り返っても楽しい観劇だった。円盤は私が観なかった公演が収録されているけれど、きっと観るたびに劇場で観たこの2公演のことを思い出すと思う。