「君たちはどう生きるか」をやっと観た

manatee
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映像がただただ美しくてそれだけで泣いてしまった。スタッフが魂を削って制作した背景を考えて泣いた。最近涙脆い。ディズニーでショーをみても「この日に至るまでの出演者たちの練習の日々」を想像して勝手に泣いている。もはや妄想号泣おばさんである。

映画は前作と打って変わって超ファンタジー。駿といえばファンタジーと思い出させてくれる作品だ。

この作品には鳥が多く出てくる。青鷺ペリカンインコ…。鳥はいろいろなものを象徴する。鳩は平和であったりコウノトリは生命の誕生であったり。途中ワラワラがペリカンに食べられるシーンがある。生まれてくることができなかった子たち。しかしペリカンも生きるためには喰らうしかなかった。そこには正義も悪もなくただ命の理があるだけだ。

主人公が頭に自らつけた傷は「悪意」であると彼は言った。自傷行為を行う若者たちへの「その痛みを背負って優しく生きろ」というメッセージか。

天の国では創造主がいつ崩れるやも知れない悪に染まった積み木で世界の均衡を保っている。しかしそれも崩れた。世界がいつか滅びることが確定した中、登場人物たちはそれぞれの時代へ明るく帰っていく。

僕はこうやって生きてきた。君たちは?という駿の若者たちへの問いかけの映画だった。別にそこまで深い意味はないし、ただストレートに思いをぶつけてくる映画だなと思った。もしかしたらもっと深い考察ができるのかもしれないけど。

映画館で見れてよかった。