故郷

mani0mon
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 震災で祖母の家が土台を残して畑も全て流されてから、故郷を無くしたという感覚がずっとある。もっと内陸にあった実家は無事なんだけれども、例の柔軟剤成分の汚染が酷すぎるので、何かと理由をつけて何年も帰っていない。帰らなくても、数か月に一度くらいに母が食料のおすそ分けでやってくるので、一応顔は合わせているし、安否確認メールも結構している。CSで色々やり合った結果、お互い必要以上に干渉しないようにしているだけかな(;^ω^)

 祖母の家は農家で、稲、色々な野菜、苺など、様々なものを栽培していて、水は井戸水、旧トイレはぼっとん(!)、離れには五右衛門風呂(だったんだな、アレ)があり、山鳥のはく製などがある、何かお宝が眠っていそうな蔵があって、ワクワクしながら周りをうろついていた記憶がある。

 家はキッチン以外は全て畳で、掘りごたつテーブルで足を楽にのばして座れた。壁には模造刀や小判が入った額、代々の肖像画。泊まってそこで寝るのはちょっと怖かった。廊下にもう使っていないらしい鉄の足踏み式ミシンなど置いてあったり、法事の時は普段静かな仏壇の間がものすごく豪華に飾り付けられていた。

 猫まんまを食べる老猫がいたり、ウサギやウズラ小屋もあって、庭は鯉などが泳ぐ池があるミニ庭園、…畑作業場とはほどよく距離があるので室内に虫がたくさん出るということもなく清潔で、理想的な平屋だった。

 現在は祖母たち家族は内陸に引っ越し、土を復活させた地域に車で農作業に出かけるというスタイルでのんびりされているようだ。以前ほどではないけれど2世帯が広々住めるような家で、インテリアがいつも最小限で落ち着く配置になっているのはおばのセンスなんだろうと気付いた。おじはちょっと偉そうにしているところはあるけれど、家をきちんと整えて守ってるのはおばだよなぁ…もっと労わってあげて~といつも思う(;^ω^)

 なんとなく…私が落ち着かずに引っ越ししまくっているのも、実はこういう家を理想として探しているのではないかと思ったり。ちょこっとだけ庭がある平屋に住みたぃぃぃ~と言いつつ、防犯の観点から賃貸上階物件に落ち着いているという…まあ、大家の屋根まで届くはしごが裏にどーんと置いてあるからあんまり意味ないと思うけどね!_| ̄|○

 写真、これしか残ってない…( ;∀;)普段全然撮らない人なもので…

@mani0mon
読書&お絵描き趣味(現在幻水2自給自足生活)の社会人です。にぎやかなSNSはなんだか疲れちゃうので、こちらでマイペースに投稿させていただきます(;^ω^)