東京にいた頃に働いていた工場派遣バイトの同僚たちは男性が多く、皆それぞれなかなか濃い趣味を持っていて面白かった思い出がある。その中の1人にいつも勤務中に静かに膝ドラム練をしてる彼がいた。普段は喘息持ちで薬も服用したりと病弱そうに見える。が、別の顔があった。HCのドラマーである。訊けば、演奏になると元気になるという体質だという。んなアホな…
そう思っていたら、ライブに誘われた。実は吹奏楽の演奏会くらいしか行った事がなかった私が、いきなりHCのライブである。念のため上京仲間の友人に同行してもらった。会場はヤバいほど狭い階段を下りた先にあった。途中に何故かこれまた厳つい犬がいて、恐る恐る通り過ぎて中に入ると、とにかく薄暗い。煙草の煙であたり一面曇っていた。会社帰りのようなスーツの男性客もいた。客層がよく掴めない。
彼のバンドの演奏が始まると、マジで元気だった。というか、まさしく「POWER」。叩く音が溜めの動作も加わり、重く聴こえる。そして、速い。ボーカルはほぼシャウトで歌詞らしきものはとくに無いようだったが、衝撃だった。盛り上がってるゾーンもあるし、ドリンクを飲んだり煙草を吸いながら静かに観ることもできる。なんともすごい空間。
複数のバンド演奏があるライブだったので、ノイズミュージックというジャンルもここで知った。会場では耳がおかしくなりそうな爆音だったが、後でいくつかCDで聴いてみるうちに、なんか…良さがわかってきた。言語化しろと言われても難しいんだけどね…Wikiの記述からもうヤバいんだけども、HCと相性がいいっぽい…(;^ω^)
彼が貸してくれた「GREAT PUNK HITS」がかなり気に入り、しばらくそういったジャンルを聴いていた時期があった。が、完全にハマることはなく、現在はメタルの方にいってしまっている。あのような演奏だけれども、彼はすごく頭が良いというのも後に知った。普段の無口さからは想像できない難解な語句を駆使して哲学のようなものを大長文でブログに綴っていた。そういう微妙な思想の違いなのかも…お互いのサウンドを取り入れることもあるので、重なる部分はあるのだと思う。
この頃は滅多にライブもやらないらしく、2年前の動画までしか追えなかったけれど、どこかで叩いている気がする。いつも敬語だった彼の「生きてますよ」という声があの頃の声で脳内再生された…
…彼に小さいらくがきを見せたことがあったが、たまたま変顔の猫とモンスターのトレントだったからだろうか。「邪悪な絵柄ですね」と言われたのを覚えている。先日の悪人診断といい、私って…?(;´д`)
余談
ギャルゲージャンルの魅力を教えてくれた彼や、グレイシー柔術の彼、米から自転車パーツを取り寄せていたこだわりの彼、高収入で裸電球物件に住んでいた彼、…濃かったわぁ…(;´∀`)