デザインセンスのなさが武器とか嫌ぁぁ

mani0mon
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 夕方にいきつけの喫茶店に立ち寄ると、ちょうど帰るお客さんがいた。先ほどまで店内でタブレットでウェブ漫画を描いていたと店主が教えてくれた。うわー、それ見たかった。

 その流れで、店内に飾ってある色々なイラスト作品の話になった。デザインが本業というわけではない人たちに依頼して描いてもらったものも多くあるという。それで久しぶりに思い出した。私もず~~~っと前に近所の店で商品ラベル作成を手伝う機会があって描いていたことがあったのだ。

 恥ずかしながら、デザインに関する知識は全くなく、同人誌のようなノリで原寸大で作ってしまっていた。普通は縮小して見栄えをよくすることを想定して大きめに作るらしい。どーりで名刺サイズの半分のスペースに描き込むのがしんどかったわけだ。細かすぎてペンが太いので、カラーペンをつまようじでつついてそれで彩色するという技も使っていた。

 そこまで手間をかけても、報酬はほぼ全てドリンク1杯だった。はじめは自分が素人で絵を依頼されたことがなかったので、そんなものかと考えて受けていた。商品が気に入っていたし、新規店なので、商売が軌道に乗るまでは手伝えることは手伝おうと思っていたというのもある。

 どちらかというと奇をてらう系で、文字のわかりやすさを重視し、背景で遊ぶといった感じには統一していたが、当時ガラケーくらいしかネットができなかったので資料は皆無。そこは自由な想像力で補った(;^ω^)小さいながらも大量に描いた。

 しかしこれだけ手伝っても、常連になると色々とサービスが付いてお得な反面、段々と扱いが雑になってくる。そうでなくても入りたくもないビジネス系客コミュニティの一員のように扱われるのがとにかく嫌だった。複数人という単位は私には新鮮だったし悪いことばかりではなかったのだけれど、怪しげな、よく言えばユニークな面々が集い始め、ある程度店の方向性が決まったあたりから大した技能もない私はついていけなくなってきていた。

 過敏症を発症したのもこの頃。今ではCSだとわかっているので対策はできるが、当時は全くわからず店主にも少し相談していた。しかしある日、家族の煙草の副流煙を避けるため実家を離れざるを得なかったことを精神的な問題だと笑われた。ここで「あ、縁を切ろう」と思った。店を出てから報酬の不満も含めてさよならメールを送信。すぐに電話がかかってきたけど、徹底無視。最後にメールで謝られたが、いつもの馴れ馴れしさはどこへやら、「お客様申し訳ございませんでした」というガッチガチの敬語だった。こうしてようやく私はただの「お客様」に戻ることができた。(多分ずっと静かに怒っていたんだな私…)

 そんなすっかり忘れかけていたことを思い出して店主に話すと、「普通はそれなりの報酬を出すものだ。これらも支払って作ってもらったものだ」と言ってくれて嬉しかった。そ…そうだよねぇぇぇ?!下手なりに頑張って締め切りもしっかり守ってたし、1枚描くのにもそれなりに時間はかかっていたからね…!

 ずっと検索すらしていなかった店の画像を表示してみると、私が作ったショップカードのデザインを参考にして描いてるよねと言われても仕方のないような別人の絵に変更されていた。それでいて、ウェブ上のショッピングの商品画像には私のを使ったままだったりする。おいおいおい…どっちかにしてくれ~(;´Д`)

 もう店に行こうとは全く思わないけれど、これはこれで「1点ものではなく、商品をアピールするために複製して使われる絵」というものを知れたのはいい経験だったと思う。己の絵の完成度の低さとか、他人の反応だとか、あーあー!!

 ちなみに、当時私の謎ラベルをコレクションする客も存在していたらしい…(;^ω^)うむ、あの発想センスの稚拙さは私にしか出せないと自負している。真似できるものならやってみな!ばーかばーか!…泣いていいですか?

@mani0mon
読書&お絵描き趣味(現在幻水2自給自足生活)の社会人です。にぎやかなSNSはなんだか疲れちゃうので、こちらでマイペースに投稿させていただきます(;^ω^)