2025年10月6日〜2025年10月12日

マルカワウソ
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公開:2025/10/20

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2025/10/06

最近の変化のひとつで、会社できっちり3時におやつ休憩を入れるようになった。ブレンディのスティックカフェオレ(無糖)と何かお菓子(だいたい100〜200カロリー目安)。以前も適当にお菓子休憩は入れていたが、体裁を整えて取る方が、一日のリズムが整うし、何かに“効く”気がする。今日はデパ地下で購入しておいた阿闍梨餅。やたらと取引先からお菓子をもらう部署なんだけど、自分で選んだものを食べる方が好きだなと思う。

倒れ込むほどではないものの、やっぱりもやもやとめまい。ホルモン治療薬のタモキシフェンを飲み始めてから、くらっとくることが何度かあったけれど、ここまで継続的なのは初めて。

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2025/10/07

めまいというより熱っぽいのでは?体温計で測ってみると微熱(37.2)。幸い在宅勤務の日なので、休み休み仕事をする。ホルモン治療は閉経状態になるので、更年期障害の症状が出るとは聞いていたけれど、調べるとめまいや微熱も一例として挙げられているので、それだろうか。半年くらいめまいが続いたという体験記もあって、ぎょっとしてしまう。ひどい人は休薬することもあるらしい。

横たわっている分には比較的元気。とはいえ本を読む気も起きないので、最近ダウンロードしたゲーム『猫タワー』をぽちぽち。基本はピクロスで、クリアする度に得られる通貨でタワーに住む猫に家具を買ってあげたり、新しい猫の住人を迎え入れたりするゲーム。最近、精神衛生のためにSNSを見る時間を少し減らしたいと思っていたので、このゲームがちょうど良くて助かっている。

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2025/10/08

通勤時、オーディブルで『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』を聞き始める。先月参加した飲み会で、上役(上司の上司)と本の話になり、ミステリー好きとのことでアンソニー・ホロヴィッツと共におすすめされたのだった。映画化しているし、人気なのも知っていたが、ついに手に取るいい機会になってありがたい。ちなみにわたしはワシントン・ポーシリーズをおすすめした(アンソニー・ホロヴィッツは読んでて、ワシントン・ポーシリーズは知らないなんてことあるんだ)。

出社してからかなりめまいがひどくなる。午前中の会議はなんとかやり過ごせたけれど、午後は頭がくらくらして仕事が手につかなかった。お昼前にロキソニンを飲んだものの、効き目なし。帰り道も足元がふわふわするような心地。

流石に嫌な考えが過ぎる。乳がんの再発や転移についてあれこれ調べてしまい、精神的にも磨耗する。

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2025/10/09

在宅勤務日。午前中はずっと横になっておく。風邪の症状はないが、37.3度の熱。そこから下がったり上がったり。午後からぼちぼちと仕事。しっかり休んだのがよかったのか、徐々に回復傾向。しかし、完璧に頭痛・めまいがなくなったわけではない。ちょうど明日は通院日なので、あれこれどういう風に聞くかを考えておく。

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2025/10/10

出社日。通院は夕方。前日よりはめまいはマシになっていたので、一日乗り切る。

病院に行き、担当医にめまいや微熱のことを詳細に話すが、ホルモン治療の副作用かもしれないしそうじゃないかもしれないといった曖昧な返答。気休めでもいいので、何か飲める薬はないですかと頼んで、血流を良くしてめまいを軽減するベタヒスチンという薬を処方してもらう。即効性のあるものではなく、改善しないようなら耳鼻科にも行った方がいいとのこと。それから再発・転移について。前回の通院で胸の痛みの話になった際、骨への転移の可能性について言及があったけれど、再発・転移については具体的にどういう風に捉えればいいのか、いろいろ調べれば調べるほど、悪い方に考えてしまうので先生から改めて説明してほしいとお願いする。私のステージ、タイプだと2、3年後くらいに再発や転移する人が10人に1人くらい。可能性はゼロではないけれど、その前に再発・転移することはほとんどないので、過度に心配しすぎないでほしい。むしろ、忘れて過ごしてほしいとのこと。細やかにメンタルケアをしてくれる医師ではないので、ここからは自分次第でなんとかしていかないとなという感じ。やれやれ。

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2025/10/11

昨日から飲み始めた薬の効果がもう出ているとは思えないが、元より回復傾向だったので、昨日よりもすっきりしている。

Mちゃんと、サントリー美術館で開催されている絵金展。幕末から明治にかけて高知で芝居絵で活躍した絵師・弘瀬金蔵、通称絵金。謎の多い生涯のようだが、初めて見るその絵は血が通っている、と思った。人形浄瑠璃や歌舞伎で重要なファクターとなるのは“死”であり、濃密な死の表現が生を際立たせ、芝居そのものを生命たらしめていると、わたしは思うのだが、絵金の絵は場面の再現ではなく、芝居という生命を写し、絵金の絵もまた生命であると感じさせるものだった。また、絵金の絵は当時から今に至るまで、ご当地高知で大事にされ、夜に屏風絵を開陳し、蝋燭の燈でそれを眺めるという祭りが毎年行われてるとのことにも感動した。

イヤホンガイドが七之助丈。普段、美術展でイヤホンガイドを借りることはないのだけれど、今回ばかりは。七之助丈が演目のセリフを歌舞伎の節回しで再現してくれたりと贅沢。

お茶をしながら、Mちゃんがまた歌舞伎を見たいと言ってくれるので、11月に約束を取り付ける。嬉しいことです。

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2025/10/12

思い込みかもしれないが、ベタヒスチンは飲んでいた方が調子が良いように感じる。

朝、シーツを取り替え、猫と猫じゃらしで遊ぶ。替えたてのシーツの上でしか遊ばない猫。それも10分と経たずに飽きてしまう。

午後、思い立って、欠けている器を集めて、漆仕事。器の修理は『おおらか金継ぎ』という本を参考にしているのだけれど、最初はおっかなびっくり支度していたのが、漆でかぶれない体質とわかってからは、おおらか通り越して適当になっている。欠けぐらいだったら、ささっと道具を出してちゃちゃっと漆で埋める。金や銀で蒔いても良いのだけれど、器によっては漆で仕上げるのも良い感じになる。日を置いて2、3回は漆を塗り重ねるので、その間にどうするかを考えよう。

長田弘『なつかしい時間』読了。混沌とした時代にあって、それでも本を手放さずにいることが、戦いでもあり矜恃でもあると思わされる。

@marukawauso
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