2025年11月3日〜2025年11月9日

マルカワウソ
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公開:2025/11/16

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2025/11/03

三連休はやっぱりありがたいなぁ。週休三日がデフォルトの世の中になってほしい。週休三日を法制化した国はベルギーだけのようだ。

そろそろと起き、日記を書いて、合間合間に常備菜を作る。夜は麻婆茄子。陳建一さんのレシピ。ちゃんと素揚げする(コンスターチは買うのが面倒なので、片栗粉で代用)のでなすがトロトロになるし、最後にかけるお酢が効いていて、毎回食べる度に本格的な味で嬉しくなる。

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2025/11/04

連休明けの出社は憂鬱だけれど、朝、ぎゅぎゅぎゅっとお昼のおにぎりを握るとやる気スイッチが押されるような気がする。数年前からこの時期はおにぎりアクションというSNS上のチャリティ運動に毎年参加していて、♯OnigiriAction というタグをつけておにぎりの写真を投稿すると、協賛企業の寄付に繋がり、アジア・アフリカの子供達に給食が届けられるという仕組み。始めはこの時期だけお弁当をおにぎりにしていたのだけど、今は一年を通じて会社のお昼の主食はおにぎりにしている。

出社して、どたばたと前月の締め処理。1個会議があるのを忘れてて、余計に忙しかった。

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2025/11/05

何となく息苦しさ。呼吸が浅いように感じる。乳がんに関するQ&Aのサイト(ちゃんと病院や製薬会社がやっているもの)っていくつかあるのだけれど、その中に「不調を全部、転移や再発に結びつけない」というアンサーがあって、ですよねの気持ち。

夜は、『私のケア帳』で紹介されていた鶏肉ときのこのスープを作る。大根にきのこ、じゃがいも、それから鶏肉。コンソメなどのスープの素を使わずに、塩だけで仕上げるすっきりした味わいだけど、根菜のぽくぽく感が冬にうってつけ。体を温めると少し不安が和らぐ。

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2025/11/06

息苦しさは引き続き、加えて胸の引き攣れが強い。時々、ずきんずきんとする。ストレスによるもののように感じる。

気質として、身近な人に相談ができない。何かマイナスなことを言葉に出すと、それに引きずられてしまうような気がしてしまうので、吐き出すことで楽になれない。相談することでアドバイスが得られるという利点よりも、人に負の感情をぶつけてしまったという申し訳なさと後悔の方が上回ってしまう。だからいつも、問題が起きたときは一人、最悪な想定をして、出来る限り対応を考えて、結果(大抵は)最悪にならなかったということで心の安寧を得る。そういう経験値を積み重ねていくことで、メンタルを強くしてきた部分があるのだけど、今の状況には向かないメソッドだなとつくづく思う。乳がんは手術や抗がん剤、放射線治療による根治までは定期的にゴールがあるけれど、再発・転移を予防する飲み薬を中心のホルモン治療はこれから10年続く。その間、絶対に再発や転移が起きない確証はない。最悪の想定は“死”しかない。これから先、10年、比較的低い確率の死の恐怖に怯えながら生きていくことはナンセンスだとはわかっている。わかっていても。どうしたものかな。

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2025/11/07

出社して慌ただしく仕事している間は、息苦しさを感じず。

会社帰り、津村記久子の『やりなおし世界文学』の文庫版を購入したくて本屋に寄ったところ、レジ脇にブックサンタに寄付できるというしおりが500円で売っていたので、お!となって併せて購入する。クリスマスに子供たちに本をプレゼントするという慈善活動で、存在は前々から知っていたけれど、参加するのは今回が初めて。良い機会になった。こういうことがあるから、一冊からでも気軽にネット通販できる時代だけれど、出来る限り書店に足を運ぶことを大切にしていきたいと思う。

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2025/11/08

朝起きて、洗濯掃除、買い出し。八百屋で先週買ったぶどうが美味しかったので、再度購入。品種を聞くと安芸クイーンだそう。見た目が宝石のように綺麗で甘みが強い。甘みの強いフルーツが好きだ。

夕方から出かけて、木場へ。まずはカマルプール。『孤独のグルメ』にも出た有名店。ここのチーズクルチャ(ナンの生地で大量のチーズを包んだパン)、食べると思考が蕩けそうになる代物で、ほんとうに美味しい。今日は、ゴルゴンゾーラチーズクルチャと、ラムミントカレー。薔薇の香りのするカマルラッシーも。お腹いっぱいで、109シネマで『もののけ姫』。4K・IMAX版。映像が綺麗ということ以上に、近頃の自分の経験によって解像度が上がったように感じる。まつろわぬ民のこと、ハンセン病のこと、子どもの頃はどうしてなにも知らずに見ることができていたのだろう(逆を言えば、何も知らない人に対してもエンターテインメントとして成立させる宮崎駿の凄さよ)。また、今までアシタカは魅力的ではあるけれど、記号的なヒーロー像としか感じられなかったのだけれど、今回初めて、祟りを受けたアシタカが不治の病、自らを死に至らしめる痣に恐怖を感じていること、自分ががんになったからわかる、諦観と恐れと希望の間で揺れ動く細やかな表現に唸る。それでもなお、人を助け、曇りなき眼で見定めようとする姿に、改めて胸を打たれる。初めてアシタカを一人の人間として見ることができたように思う。

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2025/11/09

一日、雨。夜の冷え込みも一段と厳しくなってきたので、ベッドリネンを暖かい素材のシーツに替える。

息苦しさはほとんどなくなり、胸の痛みのみ。ついつい、スマートフォンを手にとっては、後遺症の痛みについて、あるいは再発・転移の予兆について調べてしまう日々が続いていたけれど、経験としてほとんどの不調が1週間程度である程度治ることがわかったので、1週間以上続かない場合は調べないことに決める(1週間以上続く or 悪化する場合は病院へ)。SNSで知る訃報や闘病の発表(最近とても多い)の詳細も調べないようにすること。それで少しは精神的に落ち着くといいな。

@marukawauso
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