私には、未就学児の子どもが二人いる。そして二人ともスイミングスクールに通っている。ここでは、プールという水難事故の危険も高い場所で、数名のコーチが8名ほどの子どもを見ながらコーチングを行っている。
私もエンジニア組織でのリーディングやマネジメントを求められることがあり、その視点でみても非常に勉強になる。
プールの中で順番待ちの子たちに軽作業を与える
一度に泳げる人数は限られており、子どもたちにとっては待機してる時間の方が長い。どうやらコーチはプールにブイを浮かせて、そこをタッチするという作業を指示しているようだ。
水泳の技能にはなんの関係もないが、「泳いだ後そのブイまで行きタッチする」という行動が規定されているだけで、自然と待機列の統率が取れているし、いざ泳ぐ番になっても十分軽作業なため執着もない。これがボールだったり、もっと面白いものだと、逆にそれが邪魔になりそうである。
試験は泳力の評価の場ではない
2ヶ月に一度の試験があり、級ごとに「水に顔をつける」とか「蹴伸びをする」とかの試験が与えられる。そしてその試験の結果次第で昇格が決まることになっている。
最初はこの方法だと、「自分は受かったと思ったけど不合格になった」ケースで水泳が嫌いになることがあるんじゃないかと思っていたけど、違うようだ。
まだ泳力が足りないお子さんには、日々の練習で、「すごいすごい!"次の次"の試験で合格できそう!」といった声がけを行っていて、期待値調整を常に行ってくれている。
それ以外にも、話を聞く際に少しかがんで聞く姿勢を見せるとか、「すごい!」や「上手!」とか短くて伝わりやすい言葉を使うとか、泳いだ後必ずハイタッチして次の子に交代を促すとか、とにかく小さな子どもを統率する工夫がたくさんあるようだ。
もちろん仕事では相手は子どもではないし、全く同じようになっても上手く行かないだろうけど、少なくともスイミングのコーチは泳力だけでなく、指導力だけでもなく、統率力みたいなものも求められていることだけはわかる。
この記事はスイミングのギャラリーから子どもたちを見学しながら書いた。おそらく子どもたちが帰ってきたら「またケータイばっか見てた!」と怒られることは想定の範囲内です。