魔法のような夜に

marun
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<BUMP OF CHICKEN TOUR ホームシック衛星2024>のツアーファイナルを見てきた。

初日と全然違った。

びっくりした。

初日はフジくんの歌詞変えもあまりなかったし、最後のMC(お言葉)もほぼなかったし、ほんのり全体に緊張感もあり、思ったよりあっさりしてたから。

今日の有明アリーナのファイナルは、本当に全国回る中でいろんなものをリスナーと共有していった集大成なんだなって。思った。

初っ端のMCはチャマがすごく“かかってる”感じがして、すごく前のめりに煽ってて、ちょっとこっちはそこまでのテンションにまだ追いつけていなくて、「おおおお、どうしたどうした」っていう感じだったんだけど、その後、曲が進むにつれて、このツアーをやろうと思った「バンドの28年周期」というものを超えてすごく意味のある、意義深いツアーになったんだなっていうのが、そこかしこから伝わってきた。

とくに「花の名」は、初日は割と珍しく歌詞を変えずにストレートに歌っていて、それがすごく良かったりもしたんだけど、ファイナルは、ハンドマイクで全身使って唄う藤原基央が見れて、それはもう。当たり前だけど、ハンドマイクということは、ギターを弾かないわけで、歌だけに集約されたフジくんの“気“みたいなものは本当に凄まじい。今日の歌詞も歌詞カードに起こしてほしいくらいのそれがあります。あえて歌詞変えてるんじゃなくて、そうなっちゃう、感があるのが、すごいなあと思う。

DAY1、DAY2で本編は結構、入れ替わる曲があったのだけど、初日では聴けなかった「ラフメイカー」「アルエ」は久しぶりに聴けて、2024年バージョンは声に深みがあって最高な仕上がりでした。最後のMCで、「歳をとると高い声が出なくなるけど、俺は16年前より高い声が出るようになってるんだよね、へへっ」っていつものフジくん節で話してくれたんだけど、本当凄すぎる。でもたしかに、昔はがなる(?)感じもかっこよかったんだけど、今はスコーン!と遠くまで響いて包み込む感じの声だから、高音ほどあったかい感じがする。

ああやばい。こうやって1曲ずつ書いてったら永遠に終わらんな。まあいいか。

「飴玉の唄」は大好きな曲の1つなので、これが聴けたのは感無量でした。後半にかけて畳み掛けるように唄うところがあるんだけど、当時はここまでエモーショナル(とあえていう)に歌い上げる曲がそんなになかったから、音源で聴いたとき、本当に革命的だった。しかも、「飴玉の唄」ってタイトルで普通こんなことになりますか?!と思うわけです。(歌詞は考察とかそういうの得意じゃないから、そのまま受け止めるのみないんだけど)。本当にこの曲は頭から最後までメロディが素晴らしくって、ローな感じから<僕は君を信じたけど 君が消えたらどうしよう>の後、どんどん感情が膨れ上がってくるところが本当にすごくって、ライブになると本当にかっこよくって、<僕は嫌だよ 君がいいよ 離れたくないな>のところを聴くと「うわあああああ藤原基央おおおおおお!!!!」って語彙力ゼロになります。本当になります。

今ふと、BUMPの曲の「信じる」っていうフレーズが私の涙腺トリガーみたいになってるんだなって思った。新発見。

あと「プレゼント」も最高だった。

<勇気も元気も生きる上ではなくて困るものじゃない あって困ることの方が多い>っていうところで、グワーってこみあげてきました。あと<嫌いだ 全部 好きなのに>っていうところでまた、「うわあああああああ」という感情が爆発。「才悩人応援歌」の<死にたくなるよ 生きていたいよ>もぐわって来るんだけど、人間ってどっちかじゃなくて、両方あるよね、ってなる感じ。どっちかに振り切れてたらそもそも悩まないんだよな。どっちにも振れるからいちいちめんどくさいし、悩んだりしなくちゃいけないし、疲れるけど、それが生きている感じでもあるよな、っていう。そういう、すべての日々のモヤモヤ思考していることが全身を駆け巡るので「うわあああああ」としか形容ができない状態に陥るのですね。

で、今日はもちろん全体的にファイナルという熱量があったんだけど、逆にというか、花道の移動とか左右に歩いていくところとかはすごくスムーズにかつ冷静な感じに繰り広げられていた気がした。初日はやっぱり、演奏以外の部分もちゃんとやる、みたいなところに重点置かれてたと思うんだけど、その辺りがもう身体に染み付いているからなのか、流れが滑らかというか、うまく言えないけど、演奏と共に動きがある。みたいな、そういう感じだった。(フジくんがドラム前のカメラを何回か意識してるなーというのは面白かったが。ちょっと覗き込むみたいなアングルになるの最高でした。あとrayだったようなきがするんだけど、すごい接近する映像も撮ってたから映像作品にどう収められるか興味深い)

本編の最後の「flyby」もそれはもう本当に最高だったんだけど、アンコール2曲目の「流星群」が異次元の良さで今日イチ打ちのめされました。そもそもしんどい時によく聴く曲なんだけど、もうこの日のためにあったんですね、この唄は、という気持ちにならざるを得なかった。

<こんな魔法のような夜に 君と一緒で良かった>ってあんな本気トーンで歌われてごらんよ。。生きててよかった以外の言葉がそこにはありません。はい。

フジくんは、必ずMCでリスナーのことをいう時、「君が」と、一人称を使う。「君がいてくれたから」「君が聴いてくれるから」って。「君たちが」っていう時も、「君が、君たちが」っていう。「君たちが」より「君が」の威力がすごいことを知っている。だからこんなに求心力があるんだなって思う。

今日のお言葉の中に、「同じ時代にいて、君がこの音楽を聴いてくれてよかった」って言われたんだけど、そっくりそのままお返しするよ。ってなりました。

しかもこの言葉をさ、あの長い前髪の奥の目をキラキラうるうるにして話すんだから、ずるいよなー、、、、。前髪を上げて目をちゃんとみせてくれるわけじゃないのに、 うるうるしてるから、キラキラ輝いて前髪の奥にちゃんと見えるんだよ。ずるすぎるよなー、、、(書きながら思い出し泣きしてしまう)

<信じた言葉が力を失くしても 自分が自分を認められなくても 集めてきた星が砕けて消えても そこからここに響くよ>

っていうところを、まさかの花道でハンドマイクで歌われて。

しかも、なぜかずっと上手に向かって歌ってくれて(上手側だったので卒倒するかと思いました)

最後の

<僕の見たかった欲しかった全部が 君の中にあるんだよ>

を、センターステージで歌ってくださり、ほぼセンターステージのライン上にいたので(高さは高いけども)なんかもう、「私のために歌ってくれてる」と、上手側にいた人は全員が思ったに違いない。だって、あんまりにも真っ直ぐに見られてたので、「この空間に1対1では……?」みたいな気持ちになって感極まりまくりましたもの。(めちゃくちゃ高いところにいたけども)

そんな感極まりまくりの「流星群」の後、最後のお言葉がありまして。今日はたっぷりいろんな話をしてくださいました。

「古い曲なんだけど、それを今聞いてくれているみんながいる。古い曲だけど、こうして今聞いてもらえて嬉しい」みたいな話をもっとフジくん節で話してくれたんだけど。すごくシンプルにその言葉のままだったのかもしれないけど、私は、新しい曲がどんどん消費されていくように見える世の中に対してのアンチテーゼ的なニュアンスを勝手に感じとってしまった。毎年、毎月、毎日、新しい曲がどんどん出てきてSNSでバズるという形で消費されて、ちょっと前の曲でも古いって言われちゃうような、そんな時代だけど、古い曲だとしても、今の気持ちを乗せたら伝えたいことが鮮明に伝わるんだって、そう言われたように感じた。

と、最後ステージを駆け抜けてったフジくんを見送り、ヒタヒタに浸りながら帰路についたわけなんだけど、間も無くアルバムリリースとドームツアーが発表されて驚きました。半年も経たないうちにまたBUMPの音楽が生で聴けるだなんて最高すぎるのでは。令和最高。(チケットは当たる前提なので)

28年後もライブやってくれそうなこと言ってたから、28年後もライブ行けるように健康に生きたい。フジくんフォーカスで書いてしまったけど、チャマは元気だったし、ヒロさんも通常運転だったし、升さんも笑顔輝いてたし、あえて書くまでもないけれど、4人がバンドをしてくれてたから私は今生きてると言っても過言ではないので、本当に感謝しかない。末長く心も身体も健康でいてほしいです。

……そいえば、花道歩きながら泣いてる子を見つけて「泣いてんのか? 泣き虫だな。愛してるぜ」って言ってたなー、、、あれ最強だったなー。。。。オラオラアイドル藤原基央。言ってる本人こそ泣いてそうだったとこも含めて最強すぎるんよな。天才。