デザイナーとして年収1千万の壁を越えるには

masatosuzuki
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いつからか「年収1千万」が男のステータスなのか、稼ぐ者の壁として前後の区切りが存在した。一般的に難しいと言われているが、歩合制の営業や外資系に勤める人が30代に入る時には大体到達できる域ではあると言われている。

ただ従業員でいる間は難しい。それは所属している企業の状況によるからだ。とみんなは言うかもしれない。だったら個人事業主や法人化して稼げばいいじゃないか。確かにその通り。ただ、個人事業主や法人化したからといって「年収1千万」に到達できるかはまだ別の話。

『3ヶ月でプロのデザイナーになってフリーランスとして稼げる!』みたいな広告って見たことある?とても胡散臭いよね。実際可能ではあるけど果たしてそれはデザイナーだからなのか?疑問は残る。

この広告はエンジニア界隈ですごい流行った。ただエンジニアでインハウスだとそのくらい稼げる可能性は大いにある。デザイナーと給料が違うからだ。その名残で誰かが「デザイナーもいけるのでは?」となってスクールが乱立したんだろうけど、結果稼げるデザイナーが増えたわけではなく、稼げるスクールビジネスが増えただけだ。

その頃私は個人事業主でデザインの仕事をしていた。正確にはアートディレクターとしてブランディングやサービスデザインに携わる仕事をしていた。少し前から年収1千万の壁も超えていた。特別能力が高いかと言われると年齢と経験はあるが別に群を抜いて何かがあったわけではなかった。

そこで「年収1千万」について本気で考えてみてスタンダードなプランを勝手に考えて何人かに教えたところ数名がうまくいった。これは汎用的で耐久性が高いかもしれない?と思い、数年経った今また記事として残そうと思った。

ー 年収1千万、1ヶ月にすると83.4万稼げば可能

極論を言えば、従業員でもバイトでも個人事業主でも、毎月83.4万を稼げば年収1千万になる。そう考えると意外に難しくはないかも?しかし、83.4万は大金でどんな案件ならこの金額に届くのか、毎月この金額を請求するためにはどういう手段を取るか。

まず1つ、単発の案件だけでは難しい。単発とは、ランディングページのWebサイトデザインや名刺やロゴなどを指す。ただ例外として、毎月83.4万のLPを作って納品して請求できれば問題ない。とはいえ、LPの単価はそこまで伸びない。マーケティングやコンサル的視点が入り運用も入るなら可能だけどそれだと1ヶ月ではとても難しい。

2つ目は、継続的な付き合いが続く案件を持っておく。ものにはよるけど、インハウスでUIUX改善、スクラム開発に参加できるようなものだと1ヶ月で終了はなく、契約も3ヶ月ごとなど割と長期的なものが多い。デザイナーが足りていないと言われるポジションでもあるのでこの仕事は探せばめっちゃある。

3つ目は、毎月83.4万ではなく3ヶ月を1クォーターとして考える。コーポレートサイトやポータルサイトを新規で受ける場合は1ヶ月では収まらない。しかし、3ヶ月程度の稼働で250万稼ぐことができるならそれを4回できれば年収1千万になる。また、もしもアートディレクターやプロジェクト全体を見るポジションの場合はプロジェクトマネジメントもしないといけないのでその分加算されるし他のデザイナーに依頼することにより工数が削減できる。

このようなルールを設けることが割と可能性が見えてくる。

ー 実際に年収1千万稼ぎたいならチームを作ろう

20半ばの時に年収1千万超えた時はソロプレイでほぼ毎日仕事をしていた。しかもデザイン作業を爆速で大量に。今考えると効率が悪くプライベートが死ぬ。会話するのがMTGでクライアントかコンビニの店員か風俗嬢。

30代になり効率良く稼ぐにはを考え実行したのがチームを作ってみんなで稼ぐ。チーム編成として、営業、ディレクター、デザイナー、エンジニア(オールラウンダー)で構成していた。ただこれは固定メンバーではなく、その時々の即席のが多かった。

個人でやっていた時に苦痛だったのが、営業と実装だった。営業は仕事を取るもそうだけど、金額やスケジュールの交渉もしないといけない。リピートしてもらうのは嬉しいけど金額が上がらないままというのも辛い。どこかのタイミングで金額は上げたい。その時顔が聞くお話し上手の営業や仕事を多く依頼されるディレクターがチームにいるととても心強い。

実装は本当に効率が悪い。Webデザイナーはコーディングもするべき論争があったが個人的には過激的な反対派である。もちろん理論やノウハウは必要でリスペクトがとても大切。だからこそ、プロに任せたほうがクオリティが高くスピーディーにやってくれるよね。ここ数年は実際にコードを触ることはしてない。

ー 稼ぐためのプチTips的な

CMS系はとても美味しい。プロジェクト完了後に保守運用が入る可能性がある。もちろん個人でやるには重たいので開発に知見がある人とやる必要があるが定期的にお金が入る仕組みができる。しかも項目によってやることと金額がカスタマイズ可能というのも嬉しい。もしフリーランスでWebデザイナーでCMSできるなら絶対何本か持っておきたい。

ブランディングに関わる仕事、VIの管理としてアートディレクターとして参加するのもできるのであれば長期的な付き合いが可能。営業やマーケティング、時には開発とも連携する必要もあり、トンマナの管理や拡張的な動きをする必要があるがブランドを育てるというのがデザイナーとして楽しめる案件にもなるしポートフォリオも充実する。

自身のサービス・プロダクトは持っていて損はない。紙の名刺以上に生きた名刺になりあなたを営業し続けてくれる。もちろん自分でデザインする必要がある。私の場合キャンドルを作っていたことがあるが結果法人案件となりキャンドル200個作るとかで高額案件に化けたことがある。

登壇やSNSで目立つ必要はない。一時的な承認欲求は気持ち良いかもしれないが、得るものがあまりない。それよりも仕事をくれる人との付き合いを大切にするステークホルダーマネジメントに徹底すべき。目立って仕事になりそれがいくらになるか、仕事をくれる人と商談をしてそれがいくらになるかで選ぶ必要があるかもしれないが、極論稼ぐに振るならどっちが得でコスパばいいかを考えて行動すべき。

ー 後日談

年収1千万のデザイナーと数人会ったことがあるがだいたい自身のコミュニティをスクール化してそこからの収益が大半。商材ビジネスの基本ではあるが、それはデザインで稼いでいるかと言われると少しグレーには感じる、ビジネスとして正しいけど。

ある時、SNSでフォロワーが多い人と仕事したことがあったけど発言と技量がミスマッチすぎて少し残念な気持ちになりつつ、自分もこうなる可能性があるのか誠実に頑張っていこうぜ俺って思いました。

世の中に胡散臭い記事が溢れていたけどここ最近はリアルなものが増えてきて良い時代になってきた。そこに便乗して思い出してこの記事を残します。

「年収1千万」は手段の1つであり、大切なのか『効率良く目標金額を達成するには?』だったと今の私は考える。でも5億円くらいほしい。

読んでくれてありがとう。

@masatosuzuki
クオリティ高くしすぎないでゆるく書いていき〜