2024年1月30日配信開始の2nd EP "Campanella"について書きます。
1. ihatov
宮澤賢治「銀河鉄道の夜」に着想を得て歌詞を書きました。子供のころから繰り返し読んでいるお話を曲として形にできたので嬉しく思っています。終盤で反復する「I feel you calling my name」はジョバンニがカムパネルラに対して語りかける状況を自分の中でイメージしており、またアンドレアシマン著「Call Me By Your Name」の響きを少し意識しました。他には大好きなバンド「The pains of being pure at heart」に対するリファレンスを歌詞に込めました。イントロでギターのスシトーションさんが奏でるギターサウンドが印象的です。冒頭のアレンジはドラムのオオイシさんの提案で、より音の広がりが伝わるような今の形になりました。
mayohyga
柳田國男著「遠野物語」収録の"オシラサマ"と"マヨイガ"から引用しました。自分が岩手で生活している中で遠野の伝承円を訪れる機会があり、佐々木喜善の逸話や1000体のオシラサマなどを見てこころに浮かんだことを歌詞にしました。メンバーもその意図を汲んでくれて伝記のような雰囲気やサウンドを実現できましたと思います。ベースのヤマキさんが弾く叙情的なフレーズを特に聞いてほしいです。自分のレコーディングの際は特にギターの歪みで悩みました。試行錯誤をしてエンジニアさんの尽力もあり、最終的に理想の音色にできたと思います。
escape from freedom
エーリッヒフロム著「自由からの逃走」から引用しました。また作詞中に読んでいたコルソンホワイトヘッド著「地下鉄道」からの影響も歌詞に反映しました。権力の勾配や抑圧の中で人はどのように立ち回るのかということについて特に考えていた時期でした。この曲とslapstickの歌詞はどちらかというと具体的なイメージというよりも抽象的なものについて歌っています。
slapstick
歌詞の中で敬愛するバンド「my way my love」に対するリファレンスがあります。作詞において架空のことを語ることで現実をより浮き彫りにできると考えています。表現が完全でなくともその途上で生まれるものを大事にしようと思い作りました。サビではfalse dilemmaと歌っています。ほんとはたくさん選択肢があるのに2つしか選択肢がないと考えてしまうことです。
thank you, treasured friends!
ニンテンドースイッチのポケモンSVをクリアしたときに画面に記載される「thank you, treasured friends!」という文字に感銘を受け作詞を行いました。ポケモンと一緒に出かけたり遊べたりできたらどんなに楽しいだろうとこどものころ空想していたのでそういった内容の歌詞になっています。物語の鋳型として動物たちとともに冒険したり生活を送ったりするもの(どうぶつの森とか)に自分がとても慣れ親しんでおり、そういったものを好んでこれまで育ってきたんだなあと歌詞を書きながら気づきました。エンジニアさんの提案により、後半からはタンバリンの軽快な音が鳴っているので探してみてください。
レコーディング、ミックス、マスタリングにつきまして、サウンドエンジニアのKensei Ogataさんに初めてお願いしました。一つ一つの音を追求するその姿勢に刺激を受けましたし、メンバーはみんなリラックスした状態で録音に望むことができました。お家の猫ちゃんもかわいかったです。
デザインは1st EPや新作マーチ同様、mochigawaさんにお願いしました。1st EPのデザインについて反響をいただき今回もオファーしたところ、快諾いただけました。曲やメンバーの雰囲気だけでなく制作背景まで汲み取ってもらい、今回の5曲にぴったりな絵を創作していただきました。
Wang-Wang(旺旺)について
Voマシュウ、Gtスシトーション、Baヤマキ、Drオオイシ。スーパーカーのPLANETを演奏するために集まった4人で結成。2022年4月、活動開始。2024年1月20日、京王堀之内timeTokyoでリリースパーティ"XOXO"開催。2024年1月30日、2nd EPの"Campanella"が配信開始。