ありがとうのはなし - 2020年4月8日の日記 - noteより

篠原あいり
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きのう、とある方から「文章を書いていただいてありがとうございます」とお礼を言われた。すごくすごくすごくすごく嬉しくて飛び上がるような気持ちになったし、今まで多少なりとも続けてきてよかったなと思った。報われると言うとなんだか悪い感じがするけど、でもそんな感じだった。自分を認められた感覚がした。嬉しかった。

友達のアクセサリー作家のイベントなんかをたまに手伝うんだけど、その時にお客さんが友達に向かって「アクセサリーを作る人になってくれてありがとうございます」と言ったのを目の当たりにして、わたしは自分のことのように泣きそうになった。わたしも友達に対してそう思っていたけど、実際に言葉に出したことはないので、そうやって面と向かって言える人は素晴らしいなと感じたのだ。思っていても、言わなければ伝わらないし、思っていないのと同じことになる、というのはわたしの大学生時代の恩師の言葉だが、本当にそうだと思う。

派遣社員として勤めていた頃のことを思い出す。派遣元の営業担当者がアメリカに留学するために退職するので担当者が変わると言ってきたのだ。どうして留学するのか聞いたら、もっと人材派遣について学びたいから、と返事があった。わたしは「こんな社会経験のないわたしが今まで働き続けられたのはあなたのおかげです。ありがとうございました。これから先、アメリカでも日本でもどこでも、あなたにとってもそういう出会いがありますように」と伝えたのだが、担当者は目に涙をためて頷いていたのが印象的だった。やっぱりお礼はきちんと言わなければならないし、わたしは言葉の人間なのだから、文章でも音声でも、言葉で誰かのことを揺さぶらないといけないとその時に強く思った。これからも揺さぶっていくぞ!

@matsugemoyasu
派手歌人 京都在住の獅子座の女 あだ名はラブリー たわむれチャーミング vir.jp/matsugemoyasu