誕生日とレコードと死ぬことのはなし - 2018年8月11日の日記 - Tumblrより

篠原あいり
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誕生日だった。28歳になった。

プレゼントとしてレコードプレーヤーとあがた森魚のアルバムをもらった。本当に嬉しくて、生きててよかったと思った。ありがとう。

自分でレコードを直接触るのは初めてだ。針を置いて、ぷつぷつとレコードがこすれる音を聞いた瞬間に、13年前に自殺をはかった時のことを思い出した。そして、もう死ななくても平気だと感じた。安心して涙が出た。

つらくて泣いてばかりだったあの頃、レコードに針を添えることも知らずに死んでいたかもしれないことを考えると、あまりに恐ろしくてゾッとする。28歳になってはじめて体験することが、まだまだたくさんあるのだ。死んではいけない。いつかは死ぬのはわかっているが、それは今ではない。死ねないと思った。

あがた森魚が歌っているのが聞こえる。「幸子の幸はどこにある」と歌っているのが聞こえる。わたしは幸子ではないが、間違いなくここに幸せはある。

@matsugemoyasu
派手歌人 京都在住の獅子座の女 あだ名はラブリー たわむれチャーミング vir.jp/matsugemoyasu