昨日の朝から喉に違和感があって、あーこれは風邪かなーと思いながらマスクをして出社した。みるみる体調が悪くなって喉の痛みも強くなったので早退させてもらい、家に着いてから熱を測ると38度5分あり、ハハハ、これはしんどいわと思うも束の間、あの7文字が脳内に浮かぶ。インフルエンザ。サッと青ざめたくなったが熱があるのでむずかしかった。
とにかく喉の痛みが強かったのと、鼻水と痰も出るようになったので耳鼻咽喉科にかかることにした。いつもなら受付を済ませて数分で呼ばれるような病院なのだが、運悪くその日はひとりの重篤な患者に対して1時間ほどの処置を行う日だったらしく、かなり待たされて具合がさらに悪くなってしまった。
やっと自分の名前が呼ばれたので診察室に入る。インフルエンザの検査をしてもらい、喉の様子も診てもらったが結果は陰性で、喉も言うほど赤くないと言われてしまったので先生と一緒に首をひねった。ひとまず解熱剤と炎症止めの薬を処方してもらって帰って、あまり食欲がないが晩ごはんにうどんを食べ、薬を飲んで寝た。
夜明け前に目が覚めて熱を測ると37度台まで下がっていたのでよしよしと思ったが、朝方に測るとまた38度台にぶり返してしまった。喉の痛みもさらに強くなっている。ここからが地獄だった。全身を弓なりにしてしまうほどの強烈な咳が出るようになったのと、熱が留まるところを知らないほど上がっていき、痙攣を起こしてしまったのだった。また、全身の関節が痛むのを我慢しながら寝ていたところ、熱にうなされた自分の「もう!!どっちかにしてくださいよ!!!」といううわ言というか叫び声で目を覚ましたりもした。どっちかにしてくださいよ!という意味は分からないが、これは、これはもしかしたらやっぱりインフルエンザじゃないか?陰性だったのは、発熱してから24時間経っていなかったからではないのか?というか、対策ができないのが怖いのでいっそ病名がつく何かであってほしい。そう願いながら、一番近所の内科にかかることにした。ちなみにこの内科が昨日の午後は休診だったので耳鼻科にかかった。
内科の受付を済ませて熱を測ると39度あり、「39度です」と伝えると看護師や待合にいる人々がどよめいたのを感じて、少しだけいい気分になった。そう、わたしは39度も熱を出している女よ。すぐさま別室のベッドに案内され、そこで待機するように言われた。携帯電話の使用は禁止しておりますという貼り紙を見ながら、ぼーっと30分ほど待っただろうか、ようやく名前を呼ばれて診察が始まった。念の為インフルエンザの検査をもう一度行ってもらったがやはり陰性だった。喉のリンパ腺を触っても、インフルエンザの腫れ方ではないと先生は言った。喉を診てもらう。真っ赤に腫れている上に水脹れがいくつか出来ており、それがところどころ潰れ、潰瘍になっているという。えー!痛そうすぎる!実際めっちゃ痛いけど!
「これはヘルパンギーナやな」と先生が言った。聞いたことのない病名だったが、南米の女みたいな名前だなと思った。帰ってから調べると夏風邪の一種で、コクサッキーというウイルスが悪さをして引き起こす病気らしいのだが、コクサッキーが原因のヘルパンギーナってちょっと陽気すぎると思った。南米に住むいい女・ヘルパンギーナとその愛犬・コクサッキー。
とにかく強い解熱剤と、きのうもらったのとはまた違う喉の炎症止め、抗ヒスタミン薬、うがい薬、咳止めシロップなどを処方されて帰り、またうどんを食べて薬を飲んで、今。熱は36度5分まで下がった。熱がないのってこんなに素晴らしいことなんだ。うなされないし全身も痛まない。喉は相変わらず強く痛むが、これもじきに治まるだろう。治っていくのって気持ちがいい。
しかしインフルエンザじゃなくてよかった。まだ京都はインフルエンザの流行前らしいので、なってもおかしくはないが、なる可能性はまだ低いという。ではなぜこの時期に夏風邪をひいたのか、それは分からないが。