車ん中ならいいっしょってことで二日連続でドライブスルー花見をしてきた。何だかんだで例年よりも桜をたくさん見ている気がする。桜に攫われそうな、とかいう言い回しがあるけどわたしはあれがよく分からない。桜は人間にそんなことしないし、桜はマジで桜でしかないところが最高だと思う。ただわたしはわたしで、なんとなく花見をする人間のために桜は咲いてるんだと思ってたけど、こんな時でも勝手に桜は咲くし、と気づいてなんだか涙が出てくる。来年の今頃は友達みんなでほんとうの花見がしたい。
ドライブスルー花見をする前、家にずっといる理由がほしくてバラを一輪買った。バラはイヴピアッチェという香りがとてもよい品種だとTwitterのフォロワーに教えてもらったのだが、写真を見ただけで品種がわかる人はかっこいいと思う。たしかにバラに近づくといかにもバラ、という香りがする。分かりやすくて最高だ。
そういえばわたしは落ち込んだりした時によく花を買う。ずっと追いかけていたアニメの最終回に向けて真っ白なガーベラを買ったのが始まりだった。それ以来花はあまり欠かさないようにしているが、落ち込んだ時や悲しい時に買った花のことはよく覚えている。わたしが落ち込んでいるのと対照的に、花は花であり続ける。
前にうす桃色のチューリップを買ったことがある。わたしはそのうす桃色を見てなんだか小鳥のようだと思って可愛がっていたのだが、ある晩寝ていたら鳥の羽ばたく音が聞こえて、驚いて目を覚ますとチューリップがばらばらになって散っていたので、ああわたしの小鳥はもういないのだと悟った。あの経験を超えることはもうないと思うけど、でも、きのうきょう見た桜のことや、イヴピアッチェのこともたぶん、ずっと忘れないと思う。