朝帰りして母親に「おかえり」と言われると、悪いことをしていなくても、背中や胸がヒヤッとする。鍵をガチャガチャした時の音がうるさかったのだろうかとか、色々と考えてしまう。 でも今回は違って、どうやら2020年オリンピック開催地の発表の中継をずっと観るために起きていたらしく、母は「おかげで寝不足やわ」と言いながらリモコンでテレビの電源を落として、そのまま寝た。私が始発を待っている間、母はIOCからの発表を待っていたのかと思うと少し可愛らしいけど。
母は東京五輪の内定を本当に喜んでいて、「ほぼ確定やろ〜」とか言っていたはずなのに、それでも中継にかじりつくのはどうしてだろう。ほんとに自信があるんなら左団扇で「ハイハイ東京開催、東京開催」とか言って眠りにつけばいいのに。というかどれだけ楽しみにしてるんだよ。
私は東京五輪についてあんまりピンと来てなくて、どちらかというと「マドリードオリンピック」とか「イスタンブール五輪」とかの方がかっこいいなと思っていたし、イメージとしてはマドリードもイスタンブールもスペインやトルコ全体って感じがするけど、東京五輪って言われると他府県に住んでる私からすると日本全体の出来事とはとても思えない。たぶん首都圏外に住むスペイン人もトルコ人もそう考えてる人はいて、それが更に東京とか言われても「フーン……」ってなってる気がする。
私はオリンピック自体は大会が始まったら「開会式ワー!」「走ってるワー!」「泳いでるワー!」「投げてるワー!」とか言ってテンションあがる方だから、実際7年後に東京でオリンピック開催されたら「知ってるとこウオー!!!」ってなると思う。挙句「オリンピック東京でよかったー!!!」とか言う。絶対に言う。そういう人間はたぶんすごく多いので、東京五輪はきっと大成功に終わる。素晴らしいな。楽しみになってきた。