おひたし簡単で美味しいからよく作るんだけど、おひたしって名前最高にいいと思う。ほうれん草とかインゲンとかオクラからしたらおひたされだからな。めっちゃアホっぽくてかわいい。
炒め物とか煮物って名前も、キャベツやニンジン側に立つと炒め者とか煮者って感じだし、最高にクールだ。ハードボイルドだ。
その昔、おにぎりやおむすびという言葉の美しさに涙しながら、人に握られ結ばれた米と米とのつながりに思いを馳せた事があるんだけど、母には心配され、妹には嘲笑された。おひたしとかもその系統だし、相当美しいけど泣くほどにはいたらない。おにぎりやおむすびはあの握られた結ばれた状態をおにぎりやおむすびと言うんであって、おひたしみたいに醤油とかつおぶしをかけておけば何とかなるみたいな感じじゃなくて、人の手が加わってあの綺麗な造形が出来上がるっていうのが素晴らしいと思う。食べやすいし分かりやすいのって最高だ。 白ご飯だけだと食欲がわかない時に、その米らをおにぎりにすると急に美味しそうに見えて食べちゃうこととかよくあるし、お弁当は白ご飯をそのまま入れるよりもおにぎりのがテンション上がる。しなしなの海苔とか、ほどよく冷めて少し硬くなったご飯粒の感じとか、あったかい状態より美味しいと感じる。わざわざ冷やしたくはないけど、朝に詰めたあったかい「俺たち弁当です!!!」って状態より、数時間たって冷めて「フーン、俺たち弁当なの。フーン」って状態の方が遥かに美味しい。冷めてるお弁当は自立してる。めっちゃいい。 私が付け合わせの柴漬けだったら絶対お弁当箱に詰められておにぎり先輩と共に冷めたい。漬物はおにぎり先輩の熱を吸収して冷めるどころか少しぬるくなるところが未熟だけど、そういう後輩っぽさをお漬者として積極的に出していきたい。