ちょうど一ヶ月前に『ニュー・シネマ・パラダイス』を久々に観たという日記を書いたが、神戸の元町映画館が休業明け第一発の上映作品として『ニュー・シネマ・パラダイス』を、しかも35mmのフィルム版を流すと知って、絶対に行く!しかも復帰一日目の公開初日に!と決めた。海のある街、神戸の小さな映画館で、フィルム映画、それも『ニュー・シネマ・パラダイス』が観られるなんて。あまりにも良すぎる。楽しみすぎて仕事が毎日捗った。
11時頃に元町駅に着いたので近くの肉屋でコロッケを買って食べながら歩いて映画館へ行ったらもう既に十数人並んでいてびっくりした。公開は12時からなので完全に油断していた。やはりみんな映画館で観たいよね……。コロナの対策として33人しか入場できないので、ギリギリ間に合った、という感じだった。ほっと胸を撫で下ろす。
劇場内に入ると映写機の光に照らされて、細かい埃がキラキラ輝いて見えた。これから映画が始まるんだ、という高揚感がそれだけでこみ上げてきた。上映前から館内には『ニュー・シネマ・パラダイス』のサントラが流れていて、涙がうっすらこぼれた。
上映前に劇場のスタッフさんたちの挨拶があり、今回の復活の日のために映写機の使い方をがんばってマスターして映写機デビューするという人の紹介がされて、完全にトトやん……となってまた泣いた。
映画館で観る『ニュー・シネマ・パラダイス』は本当に格別だった。フィルムの少しぼけた雰囲気、チリチリという音、たまに混じる小さい泡のようなかすれも相まって、昔から大切にしてきた宝物のようだった。オープニングから泣けて泣けて仕方がなくて、ラストシーンでは引きつけを起こすくらい泣いてしまった。なんていい映画なんだろう。映画が終わったあと、会場には自然と拍手がわいて、わたしも心からの感謝を込めて手を叩いた。あの瞬間に立ち会えてよかった。
そのあといつもよりガランとした元町中華街で味噌ダレをつける餃子を食べ、青島ビールを飲み、杏仁ソフトクリームを舐めながら海辺を散歩し、大橋裕之さん原作のアニメ映画『音楽』を観にまた元町映画館へ行った。『音楽』を観るのはこれが4回目で、完全に好きだなと思う。もう既にもう1回観たい。願わくば記憶を失って初見のあの時の気持ちを味わいたい。早くBluRayになってほしい。あと太田の着てるyamaT、買っとけばよかったな……ほしい……再販希望……