
甥っ子が大学受験の下見のために上京してきた。コロナ禍の前に会った時はまだよちよち歩きだったのにもう大学受験か。歳を取ると月日が過ぎるのが本当に早くなるな。
下見に付き合った後、「夕食は何が食べたい?」と訊くと遠慮がちにおでんと答える。「焼肉とかでも良いよ、遠慮しないで」と言うと、私が良く行く、SNSに写真を投稿しているおでん屋に行ってみたいのだとか。それではと一緒にそのお店へ向かう。それにしてもここへ甥っ子と来るなんて。少し感慨深い。
カマンベールチーズや牡蠣のおでんを食べながらとりとめのない話をする。そのうちに彼から、実は調理師になりたくてそのための専門学校へ行きたいのだけれども、両親にうまく話せないのだと打ち明けられた。「それなら早めに両親と話をした方が良い、なんなら私も同席するよ」と言うと、伯父さんと話すことができて親にも話す自信がついたので大丈夫、でもまた相談するかも、と。
私が彼と同じくらいの年齢の頃も同じように進路に悩んだり親にうまく思いを伝えられなかったりしていただろうか。もう遠い昔のことで記憶を辿ることも難しい。まあそもそも私に甥っ子はいないので、ずっとそんな妄想をしながら一人でおでんを食べた。おいしゅうございました。冬ですね。