みわことくるり

松下とも子
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まぐおさん(夫)が在宅仕事で何百枚の地図になんか書き込みながらうんうん言っている。何十年も地図のこととか考えきらんよな。世の中にはいろんな仕事がある。

音が苦手な私を慮ってか「これかけていいか?」とBGMのお伺いを立ててくる。くるりの「アンテナ」ってアルバム、久々に聞いたらとっても良かった。この一枚は好きで、ツアーも見に行った。

へんなアルバムなんだよな~。洋楽っぽい。洋楽、の内容が説明できないのでアマゾンのレビューを見てみたら60年代、70年代のロックを彷彿とさせる、といったぐあいの感想が多かったです。くるりはこの編成の時が私は好みでした。色々引き出しが多いだけに苦悩が多いバンドなのかもしれません。

ジャケットワークは佐内さん。奇妙でおもしろい。私の中でロックの写真を撮らせたら佐内さんの右に出るものはいない。そして佐内さんにビジュアルを依頼するロック側のことも信頼してしまう。芸術に身を任せる勇気があると思う。最近GEZANの映画やってたのも納得。

くるりといえば大学の写真部の後輩みわこちゃんが大ファンで、「ロックンロール」を聞くとみわこのことを思い出します。いつかくれた手紙に毎日聞いているって書いてあったから。卒業してまで交流のある後輩はいないのだが、実家の鹿児島にも遊びに行った。もんじろうという人見知りの猫がいて、カレーを作って食べた。めちゃくちゃ米が固くて笑った(みわこが炊いた)。

みわこは京都に嫁いで(くるりのお膝元である。よかった)、いっぺん祇園のあたりで飲んだが今はどうしているかわかりません。探せば見つかるんだろうけど、会わなくなってもずっと心の中にいるタイプの友達だし、会えば会えたで違和感なく楽しく話すでしょう。

みわこと桜島。

@matsutomo
福岡で写真と文筆をやってます。 ★ほとりスタジオ www.hotori-std.com ★第54回九州芸術祭文学賞 佳作受賞kyubunkyo.jp/archives/1158 ©2024松下とも子