アートディレクター井口さんの事務所へ。受賞作品を冊子にするので詳細の打ち合わせ。
字の大きさや行間をわずかに変えるだけで紙面の印象ががらりと変わる。こればかりは実際に見ないと分からない。明朝体のパターンをいくつか出してもらったが、やはり表情が違って見える。せっかく井口さんにご相談もできてバリエーションが可能なのだから、私の物語のイメージにどの顔が合うのか悩みながら決めていきたい。
最優秀賞を逃して悔しかったのは、「一番になれなかった」よりも、全国流通している「文學界」に載りたかった、ということが大きい。なんといっても少しでも多くの人に読んでもらえる。だったら自分で自作してその量を増やしましょう、というのが今回のもくろみ。
私の人生の最大の目標は、素直に心を開いて自分も他人も大切にできるコミュニケーションをすること。自分の欲望に気が付くこともそうだし、今日のような打ち合わせでどんな話をするかも含まれる。それに心の底から満足できたら、成果の大きさは関係なくなってくると思う。
話は逸れるが木村伊兵衛写真賞の発表があり、最終候補に残った写真家たちの意見をTwitterで見かけた。写真家同士交流したいからせめて授賞式には呼んでくれたらいいのに、とか選外になったけどもっと詳しい選評が聞きたい、とか。本当に共感できる。
最終候補に残る作品にはなんらかの力がある。その作品と作者たちに落胆だけではなく次に進んで行く力を与えることが芸術文化の発展になると思う。