踊りだす時はいつだって君の顔

松下とも子
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まぐおさん(夫)、黒崎へ。お義父さんが自分の葬儀について生前契約したので確認に来てほしいとのこと。ここ数年、立て続けに兄弟が亡くなったのでそんな思いに至ったのだろうか。この年齢になるとこういった類の用事が増える。

夕方、博多駅で待ち合わせてくまみねグッズを見て笑っていたらまぐおさんが「これ欲しい。買いなさい。」と言うではないか。

2700円もするよ!?としぶったら「俺はこういう無駄なものを買うために一生懸命働いているんだ」としみじみ言い出したのでほんとそうだね~、そうだったよと納得してレジに持って行った。

コーンミールと米粉のコーンブレッドを焼き、くまみね皿で朝食。ここ一か月ほどまぐおさんのグルテンフリー生活に付き合っていて、体調がどうとかは実感が無いが、パンを買わないと結構な節約にはなる。

ちょうどいい温度と湿度と風、一年で一番いい季節の到来。ブン(猫)も気持ちよさそうに窓辺で目を細めている。死んだくるりちゃん(猫)とは性格が全く違うが、ひなたぼっこする様子はそっくりでつい呼び間違えてしまう。

「骨だけになって でもでもいつも好き(どんと/ひなたぼっこ)」は私の永遠のくるりちゃんへの気持ち。私もいつまで世界と遊んでいられるだろうか。くまみね皿をしぶったのも、雑貨類は結局ゴミになるから最近めったに買わなくなったのだ。命の終わりに実感がなかった若い頃には思わなかったこと。こんな風が光る日は、神様、もう少し地球にいたいから私に時間をくださいね、と思う。

昼から冊子の作業。タイトルの文字を制作するため、クレパスやペンや鉛筆で色々試し書きしている。鉛筆ってもうぜんぜん使わないので家じゅう探してこちらを発見。

やつなみさんの個展の時のグッズ。生きてるってこういうことだよね。

@matsutomo
福岡で写真と文筆をやってます。 ★ほとりスタジオ www.hotori-std.com ★第54回九州芸術祭文学賞 佳作受賞kyubunkyo.jp/archives/1158 ©2024松下とも子