大学4年の頃、午前の授業を終えてすぐ新幹線に飛び乗り6時間かけて3日間の出張についていき、二人で意味わからん田舎のレジャー施設のホテルに泊まって部屋で最終面接を受けてスーツ着たままめちゃくちゃアレをアレした思い出が、たぶん一生何かを支えてくれる気がする。
そういうおかしな経験を共有することは、案外根強く人と人との関係性を保ってくれるところがあると思う。今でも時折私たちはあの3日間のことを話題にする。そしてそのたびに、ありゃひどかったなあ、と青かった青春を思い出すかのように語り合うのだ。
また行きたいね、なんて冗談めかして言いながらも、きっと私たちの関係がこの先どうにかなってしまったとき、私たちを救ってくれるのはその意味わからんレジャーホテルなんじゃないかと思う。あのバブル時代の残骸が、私たちが危機を迎えるその時まで生き残ってくれるのを祈るばかりだ。