お客様に轆轤を体験してもらうということもやっているんだけど、初心者は全員手が早い。
ものすごいはやい。十倍ぐらい早い
轆轤の回転速度に手を合わせる。ゆっくり丁寧にができてはじめてまっとうに土を伸ばせるので、ゆっくりを掴んでもらうまで対面で轆轤に向かう。
そして端まで伸ばせず途中で手を離してしまう。本人は伸ばしたつもりでいるので、「端まで」の意識を作るのにまた一緒に轆轤に向かったりする。
作るには適切なリズムがある。そして丁寧さは意識外を意識することからはじまる。
.
私は絵が下手だ。下手なりに描いて楽しい〜とか言っていたのだが、上手な人が線を引くのを見ていると、思ったよりもゆっくり…ではないけど、それよりも丁寧さが際立っていてゆっくりに見える(実際にはすいすい描いている)という不思議体験をした。
それまで楽しいだけでも全然よかったのだが、「こんな線が引けたらどんなにいいだろう」と思ったのだった。端まで意識の通った線はすてきだ。
丁寧さというのは、速度の衝動に負けずに意識を保ち続けることなのかもしれない。コントロール下におくこと。
それが上手いことのひとつなのかもしれないなと思った。