フォロイーさんのしずかなインターネットの記事を見て、そうだよお菓子づくりはやりだすと楽しいのよ、とかつていろんなお菓子を作っていたことを思い出した。
中学校2年のときに公営住宅から持ち家に引っ越しし、広くなった台所にガスオーブンが導入された。箱の奥にバーナーがあってそれで庫内全体を熱する単純なもので、火加減は扉につけられた温度計を見ながら調整する。最初はハンバーグや鶏肉を焼いていたのだけれど、オーブンがあるならクッキーが焼けるのではないかとお菓子の本を買って作ってみた。今も本棚にあるB6サイズの本は和菓子洋菓子パンと一通りのものが載っていて、写真も豊富。小さいのでじゃまにならないし重宝した。
まずはクッキーを量産した。ココアを入れたりナッツを入れたりバリエーションもいろいろ試した。総じておいしかった。次にマドレーヌに挑戦した。ちゃんと貝殻の形の型を買って焼いた。これもとてもおいしかった。そのあとがんばってシュークリームを作ってみた。大成功だった。自分で作るお菓子はどれもおいしかったし好評だった。
スポンジを焼いてショートケーキやロールケーキも作った。一度だけブッシュドノエルに挑戦したが飾りつけが下手くそでおいしかったけど残念だった。卵白のみを使うエンジェルケーキやレモンパイ、アーモンドパイなどの手の込んだものも作ってみた。
レシピ通りに作ればどれもおいしくなる。一度だけまずいと言われたことがあるのだが、それは作り慣れたクッキーを自分流にアレンジしたものだった。砂糖を減らしすぎるとよくないのだということを学んだ。
お菓子づくりはぜいたくな時間だと思う。生きていくのにぜったいに必要なものではないことにお金と時間をかけ、できあがったものは自分や周囲の人の心を潤してくれる。カロリーやらなんやらは今は気にするけれど若い頃はそうでもなかったし、なによりもいろんな意味で生活を豊かにしてくれた。
手の込んだものを作らなくなったのは子供ができてから。ミキサーで材料混ぜて焼くだけのバナナケーキやかんてんパパなどがメインになった。せいぜい冷凍のパイシートを使ってアップルパイを焼くぐらい。それでも一応手作りだしアレンジもできたし満足だった。
子供が大きくなりおやつが必要でなくなってからはまったく作らなくなってしまった。道具はまだあるのでやろうと思えばできなくはないのだが、高カロリーなものを大量に作ることに抵抗がある。まあ今でも小豆は炊くし(小分けして冷凍保存)昨夏はミルク寒天やコーヒーゼリーを作って楽しんだ。今年も夏にはゼリーを作って冷やしておこう。