一番しっかり者で、デザイナーという職業柄センスもよいと思われていた義伯母1(義父の長姉)にも意外と俗っぽい一面があった、ということが判明したのが、通販である。
家に、温泉や銭湯にあるような立派な電動マッサージチェアがあり、我々はみな、どうせ義父が買ったんだろ、と信じていた。義父にはかつてテレビショッピングで謎の腹筋マシーンを衝動買いしたという前科があったからだ。
でもそのマッサージチェアを購入したのは、なんとびっくり義伯母1だった。
「私が買ったの」という告白に、その場にいた全員が「えっ!?」と声をあげた。たまたまその日、そこにいた義叔父は文字通りのけぞって驚いていた。義父じゃなかったのかよ!と誰もが驚愕。お義父さん、ごめん。まったくしょうがねーなあ、こんなもん買っちゃってさ、一体いくらしたんだよ、と私も思ってた。しょうもない買い物をしたのは義伯母1だった。
その際、箱に入ったまま部屋の片隅に放置されていたルンバを買ったのは……もしや……?と聞いてみたら、それもやはり義伯母1だったことが発覚。義伯母1は、通販であれこれと「なぜ? それを?」という買い物をしていた。
その義伯母1が入院し、部屋を片付けているとあちこちから大量の未開封サプリメントが何種類も出てきた。それから何箱もの健康野菜ジュースと入浴剤。中途半端に開封してある何本ものヘアエッセンス。そういえば入院前には、頼んだつもりはないのに毎月届くという冷凍の肉があった。全部もう必要ないから止めてちょうだいと頼まれて、そのとき聞いていた通販先は2か所ほどで、後は全部自分で止めましたという話だったけど、全然止まってなかった。
訪問するたびに未払いの請求書や新たなパッケージが届いており、何度もあちこちに解約の電話をした。最近ようやくすべて解約が済んだのではないかという気配になった。義伯母1が人生でクレジットカードを1枚も所有していないというのは逆に幸いだったのかもしれない。
他人の買い物に対して余計なお世話なのはわかってるけど、未払いの金額を見ると商品自体がけっこういいお値段なのである。特にサプリ。夫はかなり怒っていたが、よくわかっていない高齢者に契約させて、その後もずるずる送りっぱなし状態が自動的に継続するのもどうかと思う。たとえばそのうちの一社であるサントリーには、そのあたりどうなってるのか問い合わせた。本人や家族から「送ってよいかどうかの確認を都度してほしい」という要望があれば個別に対応するという話だった。要望がなくても定期的に確認すべきでは?と伝えてみたけど、真剣に社内で検討されることはないだろう。国民生活センターにも話してみようかな。