「いちばんすきな花」が好きな理由

mayforblue
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今期いちばん好きだったドラマの最終回が終わった。寂しい。

毎週、いちばんすきな花の続きを心待ちにしていた。

1話、カラオケのシーンでぐっと心を持っていかれた。赤田が潮に別れ話をするシーン。カラオケにきたけど、歌いにきたのではなく別れ話をしにきた。簡単に決めたわけではないはず。潮がどんな反応をするのか、どういう気持ちになるのかわかっていてそれでもこれから一緒に生きていきたい人の価値観と、その人と生きていくことを尊重した。短いシーンだったけど、その決意をするまで、その決意を潮に話すまでの赤田の気持ちを想像してしまった。

潮は最後であることを認識して、結婚式で歌うねと言っていた曲を入れる。関係を築くのが苦手な人間にとって数少ない大切な人を失うことがどれだけ重いことか。

ドラマにリアリティを求めるタイプなので(特に人間関係や言葉のやりとりにおいて)、いやいやこの展開ありえないだろ、とか、なんでいままで人付き合いが苦手だった人間たちがこんな急に仲良くなるんだよ、とか色々思うシーンは結構あった。

でも毎話グッとくるセリフがあって、それが好きだった。こんなセリフ、どうやったら思いつくんだよと。

ふたりぐみが苦手な四人がずっと描かれていたところに現れた、共通の好きな知人がふたりぐみが好きというのにまたぐっと興味を持っていかれた。

8話。椿さんと志木さんの中学時代のシーンがヤバかった。1話〜5話くらいまでは、椿さんって優しいだけの男できっと付き合ったらつまんないタイプで、と思っていたんだけど、8話で「あ、この人は目の前にいる相手が救いとしての優しさを必要としているタイミングを知っているタイプの人間だ」と感じてから完全に椿さんに恋してしまった。(?)

ぶっきらぼうだけれど優しいお母さんに育てられて、周りの人間の根拠のない行動を信じない。そんな人が「会えなくてもいいからいつかどこかで幸せになっていてほしい」と思う人がいる。その一連の描写にめちゃくちゃ泣いてしまった。

相手の人生に関与していなくてもいいからどこかで幸せになっていてほしいと思う人に出会えること、そう思ってくれる人に出会えることはすごいことだ。

10話で椿さんが志木さんにゴミ袋の場所を教えるシーン。あれも椿さんだから、椿さんにしかできない行動だと思った。

いちばんすきな花を見ていると感情がたくさん動いた。自分だったらこうだな、とか、自分はふたりぐみが好きな側の人間だな、とか。みていて心がたくさん動く、ただみているだけではなくいろんな背景を想像してしまう、想像させてくれる脚本はとても好きだ。

いちばんすきな花が終わってしまって寂しい。

自分は椿さんが夜々の告白を受けなかった理由が最後までよくわからなくて、そのこたえあわせをするぞという気持ちで最終話をみたんだけど、やっぱりこたえあわせができなかった。誰かと話したい。

@mayforblue
Life is like a sweet and sour candy.