十二月十五日(月)

mayo_fujita
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公開:2025/12/15

 文フリ本を読み進める。樺島ざくろさん・たこふみえさん・中村れい子さんの『Stella Stories』を読んだ。学園SFものだと知って、予約して購入した本だ。樺島さんの短編をいくつか読んだことがあって、生気あふれるいきいきとした作風や文体にとても惹かれた。樺島さん自身がとてもエネルギッシュな人なのだ。一度見たら目に焼きつくようなカリスマ的な雰囲気のある人だと思う。自分も含めて文フリ出店者はうつむきがちなタイプが多いので、とても目立っている。人生の善なるものを信じる人というのか。そういう方だから、児童文学を志していらっしゃるのだろうと思う。

 SFのアンソロジーということで、あればいいなと思うようなテクノロジーが作中では実現している。その点も面白かったが、何といっても子どもたちの描写がうまい。皆さん作風は違うけど、子どもというか人間を信じる気持ちは同じなのだと思う。だから、作った感じがなくて、素直に楽しめた。作者が必ずしも自分の作る世界を信じなければならないわけではないが、子どものための話を書く人にはその世界を信じていてほしい。ブースにお伺いした時も丁寧に対応してもらったし、良き世界を信じている方々がこの本を書かれたのだ届き思う。いいなあ。私も明るい未来を信じたい。と思いながら、私はディストピア小説を書く。

@mayo_fujita
読書日記を書いています。小説メインで色々読みます。古い小説と海外文学、ZINEや同人誌など。