2024.04.11

mayocco
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実家には3匹の猫がいる。

この写真はいわゆる次男で、ブリティッシュショートヘアの6歳である。母親が偶然訪れたペットショップで一目惚れして、その翌日には家族になっていた。子猫の頃からたいそう真ん丸とした目をしていたため、そのまま「マル」と名付けられた。

マルはいわゆる猫らしい性格で、人間のことはご飯を運んでくる家来くらいにしか思っていない。触れば怒るし、呼べば逃げる。食欲はかなり旺盛で、ほか2匹がご飯を食べているあいだ、ずっと後ろをうろうろと徘徊している。

こちらは三男の「クク」という。9月9日に我が家に参入したたため、そのままそれが名前となった。

猫好きな人はすぐ気づいたかも知れないが、この子はもともと捨て猫だったのだ。わたしが大阪で一人暮らしをしていた頃、コインランドリーに置いておいた洗濯かごに入り込んできてしまい、そのまま家族になった。

そのエピソードからも分かる通り、ククは非常に人懐こい性格で、常に人の傍を離れない。初対面だろうと家族だろうと老若男女誰にでも懐くため、我が家を訪れた人が持つ一般的な猫のイメージを革新し続けている。

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ククは推定8〜9歳で、野良時代が長く歯周病がひどかった。あと少し対処が遅れていたら命に関わっていたそうだ。あの時コインランドリーでククが懐いてきてくれて本当によかったと思う。

しかしながら、今わたしが実家に帰ったところでククは見向きもしない。(ほかに優しくしてくれる人がたくさんいるので。) 少し寂しくもあるが、この子がもう冷たい路上で眠ったり、車の音に怯えながら痛みに耐えたりすることは無いのだろうと思うと心から嬉しくなる。

ククは気付くといつも、我が家でいちばん陽のあたるソファにちょこんと座っている。クク、と名前を呼ぶと「ウナォ」みたいな鳴き声をあげながら、眩しそうに目を細めてくれる。それを見るにつけ、なぜ猫が幸福を運ぶと云われるようになったのか、わたしにも少しだけ分かるような気がするのだ。

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(2023.04.12へ続く)