京大北門の進々堂が好きだ。何が好きかって「雰囲気」なのだが、正確に言えば「光」が好きなのだ。この空間の光の中では全てのものが情緒的に映画的に見える。うん、視界が全て映画のよう。それはレトロなインテリアや内装というより何よりも光がそうさせている。
店の手前と奥側は全面が窓になっていて自然光が差し込み、それを分厚い一枚板の机が柔らかく受け止める。斜めに入る白っぽい自然光がものを最もかっこよく見せてくれる、と思う。天井には乳白色のガラス電燈が8つ、暖色の光を発している。壁はクリーム色で、窓の木枠や柱、調度品は濃い茶色で統一されている。おばあちゃんちの西洋間みたいで落ち着く。
“映画っぽい映像”って何を持ってそう感じるんだろうと思い調べてみた。映画を撮るシネマカメラはグレーティング(写真でいうレタッチ)耐性が高く、豊かな階調表現ができるらしい。グレーティング作業によって作品を貫くルックが作られるが、フィルム的ルックはテレビ的なものより現実感のないトーンに調整するらしい。あとは光の陰影をつけるとか。
なのでやっぱり、二種類の光がこの空間に統一的なルックをもたらしているんだろうな。
ご飯は名店喫茶よろしくテキトーなものが多くて、頼んだあまおうサンドもクリーム少なくてびっくりするけど。モーニングセットも割高だし、、でもええねん。