引っ越した

8年住んでいた五反田から引っ越した。

8年も住んでいるとライフラインの全てがそこにあり、それらすべてを手放すことになる。明日から何をどこで買って、あれが食べたいと思ったらどこに行って食べればいいかわからない。またひとつずつ増やしていかないとならない。

好きな街だった、駅名を言えば騒がしく飲み屋が多いイメージがあると思うが、駅前から離れたら派手さはなく大したことがない都心の街だと思う。通りは大きく、私の家の前は緊急車両道路だったようで、しょっちゅうサイレンを鳴らした車が通っていく、空を見上げると飛行機が新ルートを通って轟音がする。金曜の夜になれば駅から家までの道のりにある居酒屋や飲食店が賑わって、サラリーマンや大学生が騒いでいる。ガールズバーのキャッチも多くて冬は厚いコートを着たお姉さんが寒そうに立っている、都会の喧騒そのものだった。

その騒がしさに慣れていたので、新しい住まいの周りは閑静すぎて、その静かさに驚いている毎日だ。