「そもそもデザインとは」見て思ったことまとめ

ikanoosushi
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11月27日17時からYouTubeで配信していた、多摩美の佐藤卓先生の講義を見て思ったこと、考えたことをざっくりまとめます。

配信のざっくりまとめ

担当したプロダクトの紹介と、そのデザインに至った経緯を話してました。

牛乳パックのデザインは、牛乳を買う人にとっては平凡な「牛乳」たるデザインであるべきだが、あまり凡であると陳列した際に(他商品と比べて)埋もれてしまう。だが、逆におとなしいパッケージに振り切ることで目立つことがある。そのことを踏まえてデザインした。また商品を作る人、メーカーの思いを汲み取ること、伝えることにも十分に気を配ったデザインを提案した。

ガムのパッケージでは、これまでにない歯に良いガム(でも甘い)という革新的な商品だったので、「革新的な」パッケージにした。たとえば包装紙を3重にし、1枚目はグリーンで透明、2枚目と3枚目で強度を保つが3枚目は商品の質を保つためにアルミにする。こうすることでキラキラとしたパッケージながら質も保てる。マークも奥歯をイメージしつつもぱっと見では奥歯ではない気を引くマークで、また陳列する際にどんな積み方でも形が不自然でないことを意識した。

産婦人科クリニックでは、女性が主体であること、裏どりがある「ストレスが不妊につながる」を考慮することなどから、全体的にくつろぎ、リラックスできる空間を意識した。フォントや文字サイズもこだわり、老人が少ないだろうからキツさを拭った文字にする、トイレではぱっと見で分かるアイコンを採用、アメニティも女性向けに統一するなど、徹底的に利用者が「からっぽ」になってリラックスできることを目指した。

牛乳やガムなど携わってきたプロダクトが、一体どういった経緯で作られるのか、どんな人が関わるのか、どれくらいの「ゴミ」が排出されるのか、などを見える形にした展示もしている。

といった感じでした。

ここまでの説明で必ず出てきて、かつ私的に引っかかったのが「商品を作る人との十分なセッションを重ねる」「キーワード」「ユーザーの目線や感じ方」「ユーザーのために何をすべきだろうか」でした。

この4つについて、じゃあ私だったら何に当てはまって、何をやればいいんだろうな?ってのを思ったので、文字に起こしてみます。

商品を作る人との十分なセッションを重ねる・ユーザーの目線や感じ方

これはまぁ要するに「企画」の段階のことですよね。

色んな資料を持ち込んでもらって、こういう音楽作って欲しい!というのを聞くけど、そこに対して突然ものを返すのではなく、思いとか実現したいこととか、あるいは生産に関わる人だとか。

先生は話していなかったけど、おそらくは他社商品を例に色々持ち込んで、モックアップも持ち込んで…と議論しただろうなと推測しています。

この辺り当然っちゃ当然ですが、大事なのは「ストーリー」なのかなーと思いました。

企業が伝えたい思いや商品として出した後の見え方などなど、すべてストーリーがあります。そのストーリーに対して「こう考えたからこういうデザインにしました」という、沿った形で応えていくのが大切かなと。

牛乳なんだからそんなゲーミングな感じにしたら手に取りにくいだろう、とか。商品を陳列した時、ガムは横だったり縦だったり色んな方向になるからマークも色んな向きに対応しておいたら見つけやすいだろう、とか。あるいは生産者が美味しいものを、より良い方法で作ったことを、しっかり伝えよう、とか。

ストーリーを考え応えられるものを出していく、つまり仮定やら推測やらを踏まえて作ったものって、商品として強いだろうなって思うんですよね。明確に誰に向けてるかがハッキリしてるので。

キーワード

商品のキーワードになる部分の話をしていました。製法、成分などなど。

これはつまり、「商品の売りの部分を文字にしたらなんですか」ってことかなーと解釈してます。

私も(SEOっていう分野に携わってたせいもあるけど)キーワードは結構意識します。音楽で言えばジャンル、使うシチュエーション、雰囲気とかこの辺りですね。

キーワードが決まれば軸も決まるので、自ずと何を考えるべきか、何から手をつけていくべきかが見えてくる。これは結構、そうだよねーって感じです。

ユーザーのために何をすべきだろうか

まぁこの辺はストーリーの話とガッツリ被ってくるのですが…。

物を作る話なので「買いに来る人」「利用者」について考えるのは当然っちゃ当然です。そのユーザーが気持ちよく買える、利用できるためには何をすべきかを考える必要があります。

自分の活動で上記について考える

音楽であれば大きく分けて2通りかなと思いました。

  • 自由創作においては、自分が表現したいことをどうやったら伝わるだろうかを考える。メロディは、編曲は、ミキシングはどうかを考える。

  • ストックやライブラリー制作においては、明確に使うシチュエーションを考え、そのシチュエーションに合うジャンル、サウンドメイクを考える。作った音楽を聴いてどんな感情になって欲しいかを考える。BGMとしての役割を果たす構成になっているかを考える。

こんなところかな、などと考えました。

自由に物を作るとき、ぶっちゃけ別に何も考えてません…w

なのですが、やはり人に聞いてもらおうと思った時には、聞き手のことを考えなくてはなりません。その聞き手が「よく分からんかった」と言ったらまぁ、ちょっと失敗ですよね。

自由に作る。けど聞き手がいる以上、何かを感じて貰いたい、自分の表現したいことが伝わって欲しいということを考えると、そこには「デザイン」の考え方が必要ではなかろうかと考えました。

次の「ストック」「ライブラリー」においては、「使う」人のことを考えなくてはなりません。番組制作、映像作品制作、ゲーム制作、えとせ。

クライアントとディスカッションはまぁできないので、「どんなシチュエーションを想定しているか」「BGMとして使いやすい構成や展開か」「声や効果音が入ることを想定してるか」という、ユーザーの目線を改めて考えないとなと思いました。

もしかしたらまだ考えることがあるかもしれない。次の制作の時に、脳内を整理するつもりで文字化するとスッキリしそうですね。

これから自分が取り組むべきこと

誰かのために作るときは、その人の伝えたいこと、表現したいことを汲み取り、形にするためのキーワードをしっかり考えて決めていく。

どこかに使われることを想定した制作の場合は、使われるシーンを想定して構築していく。

この辺はまぁ書いてきたことの振り返りなんですが、結局は上記を実現させるための技術力、知識の習得が必要ですよね。

となると、日頃から作る、インプットする、何より幅広い物事を知っておくことが必要だよなぁ…と思います。どんな人が依頼してくるか、どんな技術や知識が必要になってくるかーなんて推測つかないですからね。

ただ人間には時間の制約がありますから、なんでもござれってことはまず出来ないと思います。演奏家もうなるクオリティのジャズを作れってのは、私にはまず無理かな…みたいな。

また、自分を「商品」と考えたとき、自分のキーワードはなんだろうか、自分の良さや得意を伝えるにはどうすべきか、というのも考えなきゃなりませんね。

ある程度の幅の対応力は持っておきたいし、できるよって状態にはなれたらなぁとは思います。その中でも特に「こういう系は得意だよ」ってのを売り込まないと、そもそも目立たないですからね。

ちょい書き足し。配信を聞いている中でプロダクトデザインとかパッケージデザインとか色んな「デザイン」が登場するのでちょっとわかりにくかったのですが、いずれにせよ「完成したものはメーカーや受け取り側のためを思ったストーリーを伝えるデザインになっている」と言えるのかなと。

私も単なる音楽じゃなく、「使う人のこと、使っている状況を考え、そのストーリーを形にした音楽」になるようにしたいなーなんてのを思いました。

こちらの記事は誰のためっていうか、今日のことを書き出したいなっていうだけです。読みにくくてすみません。

次回の「問いのデザイン」も、何か思うことが生まれたら嬉しいなって楽しみにしています。

@mbe
好きな寿司は炙りサーモンです。